抗EPO抗体陽性を呈した慢性維持透析患者の1例

要約
 患者は76才女性 原疾患は慢性糸球体腎炎 導入時よりエリスロポエチン3000単位週3回静脈投与、投与約3年にて貧血増強 検査成績では赤血球数241万/μL ヘモグロビン7.2g/dl ヘマトクリット22.6% 網状赤血球 2% 鉄欠乏 二次性副甲状腺機能亢進症や消化管出血もなかった。抗EPO抗体は放射免疫沈降法及び大過剰添加測定にて陽性と判定された。他施設での骨髄穿刺ではほぼ正常にて赤芽球労は否定。EPO中止後8ヶ月にて抗体は陰性化した。本例はEPOの皮下投与の既往がなく静脈投与のみにて抗体が陽性化したこと、赤芽球労を合併していない極めて稀な症例である