持続血糖モニター(CGM)とは

 従来の検査などでは把握できない血糖自己測定(以下SMBG)の合間の血糖の変動の傾向を発見し、その変動を修正することによって
より良い血糖コントロールの実現に近づけるための治療に生かすことを目的としています


 皮下の間質液中グルコース濃度は血糖値に比例する。
 ・皮下に留置されたセンサは間質液と呼ばれる欠陥と細胞の間の液に含まれるグルコース濃度を測定する。
 ・SMBGは血管内のグルコース濃度(血糖値)を測定している。

 当クリニックではiPro2システムを使用しています。

 メリットは?
 ・連続した血糖の変動がわかる。血糖自己測定の合間の血糖変動傾向がわかるため、血糖管理をより良く把握することが可能となる。
 ・より真実に近いありのままの患者の血糖変動パターンがわかり、課題が明確となる。
 ・食事、運動、ストレスなどのライフスタイルによる血糖の変動や夜間の血糖変動の傾向を特定できる。

 どんな人に適しているか?
 ・糖尿病治療プログラムの策定に役立つ。
 ・データは患者のやる気と協力を向上させるための教育ツールとしても有用。

 特に以下の条件および状況の評価に役立つ
 ・HbA1c値が高い
 ・夜間低血糖および無自覚低血糖
 ・食後高血糖
 ・暁現象
  早朝の睡眠中・空腹時の時間帯に生じる得敵的な血糖値の上昇のこと。
  ヒト成長ホルモンなど体内時計に基いて早朝時に活発に分泌される各種ホルモンの影響によるもので、健常人でも同様の現象は起きているが、
  これに応じてインスリンが分泌地されるので血糖値は通常範囲内に抑制され、問題になることはない、これに対して1型糖尿病ではその傾向が
  増幅してあらわれるケースが多く、就寝前に投与した速攻型あるいは中間型インスリンの作用が理れてくる時間帯と重なり、特にインスリンの
  自己分泌が全く0になっている場合には、血糖値の上昇は顕著である。
 ・血糖へんどうが激しい、またはSMBGとHbA1c値が一致しない場合
 ・血糖のコントロール不良
 ・糖尿病合併妊娠・妊娠糖尿病
 ・小児糖尿病
 ・SMBG測定頻度の低い患者


 当クリニックでの結果


この方は72歳 男性 平成2年より糖尿病のためインスリンを使用 現在はノボラッピッド30ミックスを朝 10単位 夕6単位使用されています HbA1c 6.7%と比較的良い
コントロールと考えていましたが昼食後より高血糖が持続 時に夜間に低血糖が出現する。本当は全くコントロールされていないのがわかりました。


症例 2 66歳 女性 昭和54年妊娠時に糖尿病を指摘 長年経口剤を使用 平成18年よりインスリンも使用しており 現在はヒューマログ 朝 5単位 昼 5単位 夕 5単位に
ジャムビア 25mgを併用していますがHbA1c 10.5%です



朝食後の血糖が高いものの HbA1cが高い原因は不明です。ただこの検査の時はかなり間食を我慢されたようです。 現在は朝 7単位 昼 5単位 夕 6単位に変更しました