紀伊民報より


空き店舗でフリマ
主婦ら66人が出店
田辺市商連青年部湊本通りに開設

【2003年11月2日付掲載記事】
 田辺市内の湊本通り商店街で、空き店舗を商店や一般の主婦にフリーマーケットのスペースとして貸し出す試みが始まった。出店料が安く、出店者の代わりに販売してくれるなど従来のフリマにない手軽さが人気を呼んでいる。初日の1日には66人が出店してスタートした。

 田辺市商店街振興組合連合会青年部(横矢誠治部長)が「びっくり箱」と名付けて始めた。田辺商議所が6月から始めた「たなべ商店街まちづくり活性化計画策定事業」のひとつ。県中小企業振興公社と市から合わせて補助金330万円を受けている。

 空き店舗を利用したフリーマーケットは広さ45平方メートルで、湊本通りの中ほどにある。もともと化粧品と衣料品の店だったが、不況などの影響で約3年前から借り手が付いていなかった。「びっくり箱」として、不特定多数がそれぞれ不要な日用品や中古の服などを販売するフリーマーケットに生まれ変わった。

 6月にこのスペースの活用法などを考えるためにたなべ商店街まちづくり活性化計画策定事業委員会をつくり、商連や商連青年部、田辺商業高校の教諭や高校生も委員に迎えた。月1、2回開く委員会の話し合いをもとに、青年部が計画した。商店街の売り上げにすぐには結びつかなくても、人がにぎわうスペースにしたかったという。

 店内にはスチール棚を置き、一段ごとに毎月契約を結ぶ。利用料は月額3000円。出店者の代わりに同青年部のアルバイト販売員らが常駐する。当面は売り上げの5%が販売手数料。

 10月24日から申し込みを受け付けたが、翌日の25日には早速約20件の申し込みがあり、日に日に出店者が増えていった。「こんなスペースがほしかった」と評判になった。商連の出店者が全体の約2割を占めるが、それ以外はほとんど主婦。

 商品はおもちゃや古布、中古の子供服、駄菓子、梅製品や飲料、デジカメなど。自転車など商品が大きい場合は、写真撮影して印刷した紙を張って販売している。

 田辺市学園の主婦向井晃子さん(59)は孫が着ていた洋服を持ち込んだ。価格は150円から400円。「フリマに出したかったが長時間、外に座るのは辛く、踏み切れなかった」と新しいタイプのフリマを喜んでいた。

 開店の午前11時には主婦や子ども連れがどっと来店し、次々と商品をかごに入れた。開店して10分も過ぎると早くもレジに並ぶ人の列ができた。「私も出店したい」と準備に駆けつけた青年部員に出店方法を尋ねる人もいた。

 横矢青年部長(32)は「出店者の反響が大きく、企画に自信がついた。継続できるよう、全力を尽くして盛り上げていきたい」と話していた。

 びっくり箱の開店時間は午前10時から午後6時まで。年内無休。電話0739・26・4590。

【フリーマーケット「びっくり箱」がオープン。開店後間もなく、レジに列ができた(1日、田辺市湊本通りで)】

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