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水ひょろ

水ひょろ

「水ひょろ」ってなんやと思う?妖怪みたいな変な名前やけど、鳥の名前なんやで。本当はあかしょうびんっていうて、カワセミの名前らしい。 水辺におる鳥で、おじいさんやおばあさんが子供の頃はちょいちょい見かけたらしいけど、このごろはあんまり見かけんようになったということや。 大きさは鳩より少し小さい位。この水ひょろに、こんなお話があるんや。ある山の中に、母さんときれいな娘が二人で暮らしておったんやと。 母さんは体が弱くてすぐに寝込んでしまうので、娘が母さんの世話をしながら二人で細々と生活しておったんや。ある時、母さんが急に高い熱を出して寝ついてしもうたんや。 何日も熱が続いて、母さんはのどが乾いて、つめたーい水が飲みとうなったさか、娘に頼んだ。「お前、谷へいって、ほいで冷たい水くんできてくれんかのう。」 娘はすぐ谷へとんでいって、水汲もうとしてひょいと谷川の水見たら、水たまりに赤い着物を着た女の人が映ってるんやと。回りを見てみても、自分の他には誰もおらん。 水に映っているのは自分やて気がついた娘は、じっと水面を見つめたんや。『まあ、なんてきれいな。こんなきれいな人みたことないよう。』 娘は水を汲むことも、母さんのことも、なにもかも忘れてしもて、ただただ水に映る自分の美しい姿に見とれておったんやと。娘がハッと気が付いた時には、日も暮れかかっておった。 あわてて水を汲んで、急いで家に帰ったんやけど、母さんは死んでたんやと。娘はたいそう悲しんで、何日も泣いて、しまいにはとうとう鳥になってしもて、飛んでいったんやと。 そして、日照りの続く暑い日には、高い山の上で「水ほしい、水ほしい、ミズヒョロロー、ヒョロヒョロ」って鳴いてるんやと。

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