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エスペラント語講座

エスペラント語とは、ポーランドの眼科医師「ザメンホフ」によって考えだされた言語で英語等のように人類の歩みの中で自然に発生した「自然語(natural language)」に対して「人工語(artifical language)」である。
したがって、特長は
(1)不規則や例外が一つもない。
(2)学びやすく、学習が短時間で済む。
(3)収得すれば、全世界の人々と意志疎通が図れる。
(4)人工語と自然語を双方向から比較検討出来、自然語の実力アップに役立つ。
短所として
(1)古代ローマ帝国時代の言葉「ラテン語」からほとんどの単語を使用しているので真に世界語だろうか?
(2)世界語は人類の理想だが、自然語と比べて使用頻度が低い。
と言われています。

更新は不定期ですので早く学習したい方は大学書林社の「エスペラント語4週間」等の書籍をお薦めします。

第1章 「好きやねん。」から始めよう。

講座というと堅苦しくなりがちなので、ソフトに入ります。
「すきやねん。」は良いが、「誰が」「誰を」好きなのですか?となります。何国語でも日常会話では主語や目的語がしばしば省略されます。

日本語               僕は  君を  好きやねん。
英語 I love you.
エスペラント語 Mi amas vin.  僕は君を好きやねん。(和訳)
 (読み方)      ミ  アーマス ヴィン
Amas mi vin.  好きやねん僕は君を。
Vin amas mi. 君を好きやねん僕は。

【今回の学習ポイント】
(1)目的格は主格に「n」をつける。
(2)発音はローマ字読みで良く、アクセントは後ろから2番目の母音を伸ばして言う。
(3)文法的に順番は何から始めても良い。

第2章 「発展途上国」と「中古車」

私の若い頃、「発展途上国」と言わず「後進国」とニュースで言っていたのを思い出します。現在では差別用語は使わないと言う報道倫理コードがあるのでしょうか、「発展途上国」「新興工業国」又は「NIES諸国」と言いますね。NIESは「Newly Industrializing Economics」が省略しない形で、訳せば「新たに工業化しようとしている経済圏」です。 NIESの前にニュースで使われていた用語はNICSでEconomicsがCountries(国々) に変わります。 英語は現在進行形が「今〜している」と「これから〜しようとしている」の両方を兼ねるし、現在進行形は能動的、過去分詞形は受動的に訳す『例:USED CARS(中古車=使われた車)』2種類しかないのですが、エスペラント語では分詞は6種類あります。
(英)useの(エス)はuziなので、和訳とも合わせて比較してみましょう。
                                                          
                      将然                  進行                  完了
              (しようとしている)    (している最中)      (してしまった)
────────────────────────────────────────
    能動態           uzonta                 uzanta                uzinta
  (日本語)    使おうとしている       使っている最中        使ってしまった
   (英語)            ×                   using                  ×
────────────────────────────────────────
    能動態           uzota                  uzata                 uzita
  (日本語)  使われようとしている    使われている最中          使われた
   (英語)            ×                    ×                   used


この一覧表で「中古車センター」に「USED CARS」の看板がある理由が深く理解 出来たでしょうか。英語にもthis coming Sundayのように「今週の来ようとする日曜」のように未来分詞的な使い方があります。
尚、esperantoとは「esperi(動)希望する+ant(〜している)+o(接尾辞で「人々」)」 なので「世界語で話すことを希望している人々」と言う意味なのです。 そして、音楽に出てきたandante(アンダンテ)も同じ合成語で、イタリア語の祖語はラテン語です。

【今回の学習ポイント】
(1)分詞はエスペラント語では6あり、内訳は将然・進行・完了(3)×能動・受動(2)=6である。
(2)英語の現在進行形の形容詞的用法は「〜しようとしている」という未来分詞的な意味も兼ねている。

第3章 英文法書にもなかった相関表

昔英語を習った時、「whereとeverywhereに何か関係はないだろうか?」と思ったことはありませんか。実は分類分けが出来、その関係の相関表があるのです。エスペラント語創案者のザメンホフ氏はヨーロッパ言語のほとんどが理解できていたのであろう。このような関係を相関表にしたのが下表です。まだ第3章なのでエスペラント語の理解の進度を考え、英語に置き換えて表示してみました。大学書林「エスペラント語4週間」p.136・137(相関表)参考・英語はthe British Esperanto Association発刊「ESPERANTOーENGLISH DICTIONARY」参考

               指示     疑問     不定     普遍     否定
────────────────────────────────────────
物・事            that        what        a certain    all            nothing
(一般的な)       thing                   thing       everything
────────────────────────────────────────
人・物            that       who         some         every         nobody
(個別的な)       (one)     which
────────────────────────────────────────
性質・種類        such    of what kind   of some kind  of every       no
                          what         of other         kind
────────────────────────────────────────
所有              that       whose        a certain    everyone's     nobody's
                   one's                   person's
────────────────────────────────────────
場所              there      where        somewhere    everywhere    nowhere
────────────────────────────────────────
様子・方法        thus       how          by some      for every      for no
                  so                        means        reason        reason
────────────────────────────────────────
理由           therefore     why          for some     for every      for no
                                             reason       reason        reason
────────────────────────────────────────
時                then       when         at some      at each        never
                                             time         time
────────────────────────────────────────
普遍          that          what          a certain    the whole      none
               quantity       quantity       amount      quantity
────────────────────────────────────────

【今回の学習ポイント】
(1)ヨーロッパ諸言語を研究したザメンホフ氏は、エスペラント語では使う種類による相関関係を明確に表にまとめた。

第4章 相関表を日本語に直すと

               指示     疑問     不定     普遍     否定
────────────────────────────────────────
物・事            そのもの   なに     あるもの  すべて  なに(ごと 
(一般的な)       そのこと   なにごと   あること          も)ない 
────────────────────────────────────────
人・物            その人 そ  だれ どの  ある人   おのおの だ(ど)れも
(個別的な)      の それ   どれ     ある・・  皆・全て  ・・ない
────────────────────────────────────────
性質・種類        そのような  どんな    ある    あらゆる どんな・・
                                (性質の)    (種類の)  もない
────────────────────────────────────────
所有              その人の   だれの    だれかの  すべての だれの・・
                  そのものの  どの           人の      もない
────────────────────────────────────────
場所              そこに    どこに    どこかに  どこにも どこにも・・
                                  ない
────────────────────────────────────────
様子・方法        そのように  どのように  どうにか  色々に  どうしても
                  非常に    どうして   して         ・・ない
────────────────────────────────────────
理由             それゆえ   なぜ     なぜだか   *     *
                                            
────────────────────────────────────────
時                そのとき   いつ     いつか   いつも  ・・した事が
                                                         (決して)ない
────────────────────────────────────────
普遍            それほど   どれほど   いくらか  のこらず すこしも・・
                               すこし   すっかり ない
────────────────────────────────────────
『注』*は日本語に該当訳なし。

【今回の学習ポイント】
(1)日本語も多分このような相関関係は成り立つと思います。
尚、エスペラント語の表については表記に特殊外字が5つあり、その外字を作成するまでは、その外字の入らない単語や文にならざるを得ません。

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