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 数日前から父母達は、知り合いの夫婦とともに旅行に行っていた。いつものことだが彼らは出発の際、何にも言わずに出ていくのだ。「2〜3日留守にします。」と私の嫁さんに告げるだけで行き先も何も言っていかない。それで帰宅してお土産もらうときにはじめて「北海道へ行って来たんよ」と言ってくれる。まぁ、お気楽な方々である。
 今日、急ぎの書類があったので午前中、現場へも行かず書類作成に追われていた。そこへ私の伯父さん(現武田シャーリング社長)から電話があり、「先ほどの無線機、おおきに。それで、ついでだが、そいつをワシの車へ取り付けてくれ。これからそっちへ行くぞっ!ブチッ。プーップーップーッ…」と一方的にしゃべって電話を切った。「え?これから?」と私もちょっと困ったのだが取り付けくらいやったら30分もあれば出来ると思い、必要な道具を確認して待っていた。「おい、これこれ。付けてくれ」とうれしそうに伯父さんはやってきた。そこで軽貨物トラックだったので取り付けるスペースは十分にあり、15分で取り付け完了となる。(これで伯父さんも満足して帰ってくれるやろ…)、これが甘かった。「よっしゃ、次はアンテナや!」え?アンテナ?これから?とこの話は聞いていない。「でも伯父さん、アンテナ言いますけど取り付ける基台がありませんよ」「えぇ?ないぃ?、よっしゃ、これから田辺市へ買いにいこら。車へ乗れ!」と、半分拉致されたようになぜか車の運転席側へ誘導される。「え?私が運転ですか?」「当たり前じゃ!よっしゃ!行け!」。と、こんな調子で田辺市へ買い出しに出かけた。車中、近況や親戚のことなど話しながら田辺市にある「無線機屋さん」へ急ぐ。その「無線機屋さん」へ行くのはもう15年ぶりくらいだったが、ちゃんと営業されてて昔の店長さんもいた。その店長さん、私のことを少し覚えていたようで、どこかで見たような…みたいな顔をしていた。私も照れくさかったのでそのままサッサとアンテナと基台を購入し店を去る。で、私も町に出てきたついでだったので、少々買い物をしにコーナンへ寄ってみた。伯父さんも私の後ろをヒョコヒョコ付いてきては、陳列されている商品に「コーシャク」たれていた。
 そんなこんなで帰宅したのが午後3時。でこれから取り付けにかかる。アンテナ基台も少し加工が必要だったのですこし手間取る。ソーコーして調整も済み、取り付け完了したのが夕方午後4時半。結局、午後いっぱい、仕事も出来ず、伯父さんの相手をしてしまう。何のために現場休んだんだか…。でもまぁ、うまく取り付けできて喜んでくれたわけで、うれしそうな伯父さんをみているとそう悪い気はしなかった。後に残ったのは書類を徹夜で仕上げる作業のみだった。
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