10/31
 今日で10月が終わる。そしてあと2ヶ月で正月となり、また一つ年を取ってしまうのだ。
 今日はいつもと違う現場で、日光がサンサンと降り注ぐ所だったので、少し暑かった。午後、またいつもの日陰の現場へ戻ったのだが、ものすごく寒く感じた。日中、どうしても事務所で行わなければならない仕事があったので会社に戻ると、突然、お客さんが見えて対応に追われる。半時間後、現場から呼び出しがあり、また現場へ戻る。なにしに帰ったんだか…。
 そんなドタバタで仕事も終わり帰宅して、晩飯を食っていると嫁さんから「明日からスクールバスに3日ほど乗りにいくで」と告げられる。嫁さんはスクールバスの副添乗員で別にミニスカートはいて、ちっちゃい帽子をかぶり、小旗を持ちながら、四角いマイクでそこら辺の神社仏閣を紹介している訳でもない。ごく普通の服装で、主添乗員のピンチヒッターとなるだけなのだ。その主添乗員さんは実はここだけの話、「ギックリ腰」になり、痛くて痛くて歩行困難となりとてもバスガイドは無理ということで、今回嫁さんが代打という訳だ。私も人ごとではなく、「ギックリ腰」と言うほどのものではないが、腰痛がひどくて寝ても立ってもいられないことが年数回あった。治療にいくと先生曰く「腰痛と言うのは二本足で歩く以上、人間学的にどうしても避けられないもの」だそうな。そら、一日中体の半分をまっすぐ立てているのだから疲労も起こるはずだ。そして先生「上体を使うときは必ず"腹筋"を使うようにしてみてください。そうすると腰への負担は必ず減ります」と言うので、屈む時や、重い物を持ち上げる時など意識して腹筋を使うようにした。そうすると腰痛は嘘のように消えてしまった。あれ以来全然腰痛が起こらないので"人生バラ色"である。
 午後、近所の大工さんのご子息「ヒロッサン」と久々に話をした。彼は天気がいいので耕耘機で田んぼを耕していた。「ミッチャン、この間の祭りの日、釣りに行ったろ!」と第一声。私も本来なら、お祭りに参加してお宮にお参りしなければならなかったのだが、あの日は…そう、後ろ髪を引かれる思いで堺磯に釣りに行っていた。彼が言うには、まぁそれは大したことではなく、今、彼は「釣り堀」に凝っているのだと言う。「海は荒れてもそこは行けるし、第一、ゆっくり座れる」のがいいそうだ。考えてみれば、渡船代、エサ代を考えれば一日1万円。その釣り堀も2時間釣り放題で1万円。しかも確実に「釣れる」。どうやら後者の方に軍配があるように思うのだが…。いやいや、私は荒磯で育った魚と真っ向から「ハリス一本」で勝負すると誓った身、そんな養殖魚などには心を許すはずがない。許してはいけないのだ。
 今日、また役所から書類提出の依頼が来ている。あぁ、また一つ憂鬱な仕事が増えた。
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