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 今日、日曜日は久しぶりに何もない日となった。と、思っていたが、高城ジュニアバレーのモルテンカップ近畿大会があったのをすっかり忘れていた。「応援にいくで〜」と言いながら、試合があったのを思い出したのは昼前だった。
 昨夜、この空いた一日を何に使おうか迷っていた。いつまでたっても上手くならない野球のバッティング。そろそろ秋色が出てきたので、白浜アタリもおもしろいかなと思うイシダイ釣り。そう思って欲張りな私は、昼間釣りに行って、夜、バッティングセンターへ行くことにした。が、それよりも、今日はハルの野球大会があったことも思い出す。ま、それは嫁さんに行ってもらっているし、日中暑さに耐えられないかもしれぬと、釣りの方に天秤が下がってしまう。そしていつもの所でエサを購入し(ガンガゼ\150×20個)、磯場に立ったのは正午過ぎ。それから竿を出す。海は日差しこそキツイが、風があるため内陸部よりは涼しい。何投目かしていると、依然、この磯場で出会った方と再会し声をかけられた。「釣り仲間」はいろんな所でも、全く初対面でも「どうですか?魚ありますか」の一声から始まって、気さくに話が出来る。実際、青年会議所でもこういう初対面の方と話す研修もあり、それはそれでよかったのだが、こんな実際になんのマニュアルもなしに話をするのもおもしろい。話し下手の私にとってはいい研修である。小一時間その方と話をし、「また9月になり枯れ木灘が解禁となれば、またどこかの磯場で出会いましょう」と挨拶をして、その方は帰っていった。こんな出逢いは釣り経験者ならよくあることだ。その昔、といっても去年の夏だった。私は、3つの複雑な現場を抱えており、その多忙な時に仕事に関する講習が御坊市で行われた。みなべ町で仕事をして時間が全くなかった私は、「塩屋の浜」で車に乗ったまま弁当をかき込んでいた。と、そこへでっかいランドクルーザー1台がやってきて、海辺に停車し、ロマンスグレーの男性が颯爽(さっそう)と降りてきた。しばらく海を眺めていたが、私が弁当を食べているのに気がつき、そのトランクを開け何かやっていた。しばらくしてその男性がこちらに歩いてきて「この辺で魚釣り出来るところありますか」と声をかけられる。私は口の中イッパイに白飯とおかずの「魚のフライ」を入れたまま「えぇ、そうですね、そこの発電所廻りでもできますし、向こうの煙樹ヶ浜あたりの磯場ではグレやイシダイと言った物もつれますよ」と、箸を持った手で指さした。その後、こちらも急いでいたので箸を休めることなく、雑談し、釣り談義に花をさかせた。いろいろお聞きしていると、どうやらそのロマンスグレー、どこかの企業の会長さんらしく、社長役を退いたので、毎週紀南地方に遊びに来ているそうだ。と、そんな話をしていると講習の時間が近づき、私はカラになった弁当をしまうやいなや「じゃ、私はこれで…」と軽く会釈をした。と、その人「あぁ、今、コーヒーでも入れようかと…」と言って慌ててランドクルーザーの後ろに向かう。そう、あのトランクの後ろではコーヒーを入れるべく「お湯」を湧かしていたのである。「あ、すみません。私この後すぐに仕事関係の講習がありますんで。すみません。」と、誠に申し訳ないが、その場を立ち去ることとなった。「…そうですか。じゃ、また。今度はどこかの磯場で出逢えるといいですね」とその人も軽く会釈され、私に手を振っていただいた。こうして、たかが『釣り』ではあるが、数々の出逢いが生まれる。これも私がやめられない「釣り」の醍醐味の一つなのである。
 晩飯を食ってから、この前の野球の試合からどうも打撃に納得が行かず、そのことが頭にこびりついていたため、夜、バッティングセンターへ子供達といっしょに向かう。
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