梅の利用法
内臓の強化・活力の増進に梅醤番茶
効能 心臓病・胃腸病・肝臓障害・血の道病・冷え性・貧血・風邪・糖尿病
腎臓病・神経痛・リュウマチ・関節炎・下痢・疲労・ガンなど万能薬
食養手当て法の中で生姜シップと並んで、最も多く用いられるのが、梅醤番茶である。
胃腸の調子がどうもおかしい、疲れやすい、下痢をするなどの症状がでた時、この梅醤番茶を服用するとピタリとおさまる。実に不思議なくらい速効性を発揮する手当て法である。
冷え性で悩むAさん(35歳・女)は長年夏でもくつ下をはいて寝なければいけないくらいであったが、食餌療法と同時に梅醤番茶を朝晩二回服用すると、わずか、三週間で冷え性がおさまった。
そして冬でも風邪をひかず、もちろん足がほかほかしてくつ下なしで眠れるようになった。
■梅醤番茶のつくり方
用意するもの 梅干 一個 暑い番茶
純正醤油 湯のみ茶碗
生姜汁 2滴 箸
@ 中くらいの梅干一個を湯のみ茶碗に入れる。
A 割りばしで種を取り去り、そのあとでよく突き砕いてねる。
B これに醤油を大さじ一杯加えさらにねる。
C これに生姜おろし汁を二滴おとし、その上に熱い番茶を茶碗に八分目ほど注いでかきまわしてから服用する。
ひどい下痢症状には、梅醤番茶にクズを入れるとよいし、風邪をひいてセキの出る場合や、ゼンソク発作のひどい時には、梅醤番茶にレンコン末を入れると卓効がある。胆石や結石でひどい痛みがきた時には、梅醤番茶に大根おろしを少し入れるとよく効く。
梅醤番茶は、健康な人にも、服用をすすめたい。内臓が強化され、心身ともに爽快になるであろう。
特に、夏の暑い時には、梅醤番茶の塩分補給作用により、夏バテ解消の特効薬になるし、冬は血行促進作用により身体をあたため活発にする。宴会や友人のつきあいで深酒をし、翌朝、頭がガンガンする二日酔いを起こした時も、この梅醤番茶が卓効を発揮するのである。二日酔いで頭が痛いのが、嘘のようにスーッととれる。
<注意>梅醤番茶は、正食手当て法の中で、陽性な療法にあたるため、食前か空腹時に服用するようにするとよい。同時に梅醤番茶の味かげんは、濃くしたり、薄くしたりして、服用する本人が、おいしく感じるようにする。梅醤番茶を長い間服用して、途中で飲みづらくなった場合は、服用を中止するのが賢明である。
幼児や子供に、梅醤番茶をあたえる場合、大人の四、五倍位に薄めたものまたは、少量あたえる。人の体質はそれぞれ異なるから、それに応じて、梅醤番茶を濃くしたり、薄くしたりするのが、コツである。
なぜ梅醤番茶にこのようにすばらしい卓効があるのか。
血行を良くし、体内の新陳代謝を促進するからであるが、もう少し深く陰陽という物の見方で考えてみよう。
梅醤番茶に含まれているナトリウム(陽性)は体内に吸収されると、赤血球のヘモグロビンを陽性にし、空気中の酸素(陰性)とより多く結合する。体内に酸素の供給量が多くなれば血行がさかんになり、新陳代謝を促進する。
特に、人間の身体の中で、最も酸素を消費するといわれている大脳や肝臓を活性化するのに役立つ。
また、梅醤番茶の材料である梅干・醤油・番茶の効用も見のがしてはならない。梅干に含まれるクエン酸は血液を浄化し、醤油に含まれている酵素は胃腸を活発化する。番茶には胃腸を整腸する作用がある。
梅醤番茶が、速効性を発揮するのは、ちょうどお酒を飲むとアルコールが腸で吸収されずに、胃から直接吸収されるのと同じように、梅醤番茶のナトリウムが直接胃から吸収されるからである。
これらの事を総合してみると、冬、暖房機などによる一酸化炭素中毒でたおれた患者が、梅醤番茶の服用によって奇跡的に助かるのがよくわかる。
梅醤番茶は、肉体面においてすばらしい効果を発揮するが、精神面においてもすばらしい力を発揮する。
A君(12歳・男)のお母さんから、A君が非常に無気力で何をやらしてもまったくやる気がないのでどうしたらよいかという相談があった。成績はクラスで中位よりすこし下であり、運動はまったくやる気なしで、かけっこはいつもビリである。
だが、梅醤番茶を一日二回朝晩服用すると、二週間目から、がぜんやる気を出し、現在では、成績は常に上位クラスに入り、運動にしてもいつもビリであったかけっこが三番から四番の成績をのこすようになった。
無気力児童、日夜受験勉強に精を出している受験生、毎日激務についておられるサラリーマンや管理職の方の健康管理のためにぜひともすすめたいのが、この梅醤番茶である。朝一杯のコーヒーより、この梅醤番茶の一杯に、数倍の価値がある。