熊野古道の継桜王子境内に、杉の樹齢800年の巨木があります。南向きだけに枝を伸ばしていることから「野中の一方杉」と呼ばれており、県の天然記念物に指定されています。
老木の空洞は、優に20人の大人が入れるほどの広さがあります。
10本近くあるうち、最大のものは幹の周りがおよそ8mもあります。
みな同じように、南にある熊野那智大社を慕うように枝を伸ばしているので、一方杉と呼ばれているわけです。この不思議な現象は、生物の生態を知る上でも貴重なものと言われています。
とがの木茶屋
野中の一方杉から50mほど進んだところに、ひときわ目につく、情緒たっぷりの茅葺き屋根の「とがの木茶屋」があります。
熊野古道を訪れる人たちに、熊野の郷土料理を出しているお店です。
築250年を越える建物は、江戸時代から、熊野詣の旅人を泊めていた宿場です。ここでいただく、地元ならではの名物の「茶がゆ」は旅の疲れをふきとばします。
野中の獅子舞
なかへちの近野神社や継桜王子へ奉納される獅子舞で、約700年の歴史を持つ貴重な伝統芸能です。
昭和46年には、県無形文化財に指定されています。
南北朝時代の初期、 近露の野長瀬(のながせ)一族が大塔宮護良親王の御軍に出陣する際のはなむけに舞ったと伝えられています。
以来、郷土の平安を願って舞を演じ継がれています。
●開催日時/毎年11月3日、1月2日、3日
●開催場所/田辺市中辺路町近野地区(近野神社、継桜王子)ほか |
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