この表(虎腹稿セグメント分析表)は、『熊楠研究』第14号の特集「腹稿の謎を探る」の資料として掲載するものである。この表が南方熊楠の腹稿とどのように対応しているかについては、同特集中の松居竜五「虎に関する腹稿の解読」(同誌49〜65頁)および下記の凡例をご参照いただきたい。またこの表は同誌56〜58頁に掲載した「虎腹稿クラスタ分析表」と連動しており、2つの表を対照することで全体像が把握できるように作成している。
この表の作成は、主に2018〜2019年度に南方熊楠研究会内部の腹稿研究会としておこなった作業に基づいている。この期間中に作業に参加したメンバーは下記の通りである(50音順)。
岸本昌也、司志武、志村真幸、田村義也、平川恵実子、広川英一郎、松居竜五
なお、この作業の運営に際しては、下記の補助金を用いた。
学術振興会科学研究費補助金・基盤研究B「南方熊楠のノート・書き込み・書簡に関するデータベース作成とその分析」(研究代表:松居竜五、2017〜2019年度)
本表の項目は、それぞれ次の内容を意味している。
○クラスタ番号:熊楠が腹稿の中のセグメントの集合に赤字(一部黒字)で振った番号。一部欠番や重複が見られる。クラスタ番号にはすべて( )を付した。
○セグメント番号:研究会として、クラスタ内のセグメントに恣意的に振った番号。原則として、右から左、上から下、線が引かれている場合はできるだけそれを追って順に付けている。
○所在:本表の元になる熊楠の腹稿はB稿およびC1〜C4稿の5枚である。各欄のクラスタがどの稿に見られるかを記載した。稀に2つの稿に同じ番号が見られるものもある。
○クラスタ名:熊楠がクラスタに付けた題名。一部欠けているものもある。
○記述(セグメント):クラスタに含まれる記述内容。執筆のためのメモや出典の指示などからなっている。原則として熊楠の表記を尊重して翻刻している。
○南方熊楠の著作の中の記述:クラスタ名やセグメントの記述に対応するものを平凡社版『南方熊楠全集』から引用し、巻頁数を指定。文字数の関係でルビは除き、・・・で省略した部分も多い。
南方熊楠腹稿研究会
注:「対応する南方熊楠の著作の中の記述」の項では、『南方熊楠全集』の巻数ページ数を数字で略記している。01001は平凡社版全集第1巻1頁を意味する。
クラスタ番号 | セグメント番号 | 所在 | クラスタ名 | 記述(セグメント) | 対応する南方熊楠の著作の中の記述 |
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(01) | 01 | C4 | 名義 | 名 バルフヲール | |
(01) | 02 | C4 | 名義 | 本草釈名 五指為貙 | 01009 『爾雅』に…虎に似て五指のを貙…というと言って、むつかしい文字ばかり列べおる。 |
(01) | 03 | C4 | 名義 | 獣色ノ名多シ 英四四41【91の間違いか?】 | 01009 サモエデスは馴鹿に注意深きあまりその灰褐色の浅深を十一、二の別名で言い分け、アフリカのヘレロ人は盛んに牧牛に勤め、牛の毛色を言い分くる語すこぶる多く…(ラッツェル『人類史』巻一)。 |
(01) | 04 | C4 | 名義 | 南詔波羅トイフ 波羅トイフ 淵17ウ | |
(01) | 05 | C4 | 名義 | 手カヒノ虎 世事百談 | 01007『世事百談』に「…我邦のいにしえ、猫を手飼いの虎といえる事…云々」。 |
(02) | 01 | C4 | 記載 | 住処 雑論 猛虎不処卑地 鷙鳥不立垂枝 | |
(02) | 02 | C4 | 記載 | 藪無レハ不来クルーク46 | 05432 一八九七年板クルック著『印度の西北諸州』四六頁に、虎は…藪を潜るにあらずんば来たらず、とある。 |
(02) | 03 | C4 | 記載 | 日本ニ虎ナシ 抜二 日本畧記 | 01008 虎の産地はアジアに限り…日本およびセイロン、ボルネオ等諸島にこれなし。 |
(02) | 04 | C4 | 記載 | △後漢書 | 05431日本には、『後漢書』東夷列伝に、「・・・牛馬虎豹羊鵲なし」とある通り、古来虎豹はない。 |
(02) | 05 | C4 | 記載 | 東方ノ虎大ナルコト アストレーiv.388 | |
(02) | 06 | C4 | 記載 | 抜一 淮南子 東方多虎豹等 | |
(02) | 07 | C4 | 記載 | 大英類典 バルフヲール | |
(02) | 08 | C4 | 記載 | 本草 毛詩 有力如虎 | |
(02) | 09 | C4 | 記載 | ホラバナシ 一目放光等 | 01007・・・支那人流の法螺を吹き出していわく、夜視るに一目は光を放ち、一目は物を看る、・・・ |
(02) | 10 | C4 | 記載 | 卑勢打ナラントス 淵二九オ | |
(02) | 11 | C4 | 記載 | 天虎人虎 淵18オ | 01009 『国史補』には、四指のを天虎、五指のを人虎と俗称す、と出づ。 |
(02) | 12 | C4 | 記載 | 陽故 首尾七尺 淵函17オ | |
(02) | 13 | C4 | 記載 | 頸直故曲ル能ズ 淵18オ | |
(02) | 14 | C4 | 記載 | 虎骨甚異 コレハミミツクノコト? 淵18オ | 01008 『淵鑑類函』巻四二九に虎骨甚異なり、…とある。 |
(02) | 15 | C4 | 記載 | 狸ノコト 揚子聖人虎別君子豹別弁人狸別狸変則豹変則虎 | 01014 『揚子』に聖人虎別、君子豹別、弁人狸別、狸変ずればすなわち豹、豹変ずればすなわち虎、これは聖人君子弁人を順次虎豹狸に比べたのだ。 |
(02) | 16 | C4 | 記載 | 学名 英十六裏11 | 01006 支那では「たぬき」の外に学名フェリス・ヴィヴェリナ、フェリス・マヌル等の野猫をも狸と呼ぶ。 |
(02) | 17 | C4 | 記載 | 荘子鼠トル云々 | |
(02) | 18 | C4 | 記載 | 子生ニ二疋 淵、17ウ | 01009「 虎は一生に一たび乳むのみ。乳めば必ず双虎」と『類函』にも見ゆ。 |
(02) | 19 | C4 | 記載 | 頭図スルニチガフ 本啓 | |
(02) | 20 | C4 | 記載 | セイロン家相 英三二裏44 | |
(02) | 21 | C4 | 記載 | 眼猫トチガフ | 01017予闇室に猫を閉じ籠めて毎度験すと・・・一目強く光を放ち、他の目はなきがごとく暗い事がしばしばあった。 |
(02) | 22 | C4 | 記載 | 抜一 三十六禽 二中歴 虎豹狸 寅 | 05434三十六種の精魅とは、たぶん・・・の三十六禽から転成したものだろう。 |
(02) | 23 | C4 | 記載 | 交ルニ虎獅 猫トチガフ Pliny ii.540 | |
(02) | 24 | C4 | 記載 | 希人虎ヲ知ズ Yule シンガポール 英三七7 | 01005 プリニウスの『博物志』によれば、生きた虎をローマ人が初めて見たのはアウグスツス帝の代だった。 |
(02) | 25 | C4 | 記載 | 獅ノ二倍大 英六50 | |
(02) | 26 | C4 | 記載 | 欧人兄弟ノ字意不分ネポテノ例 英四九132 | 01010 ・・・予もイタリア書に甥も孫もニポテとあるを見るごとに、どちらか分からず大いに面喫うことである。 |
(02) | 27 | C4 | 記載 | 千里走ルトイフコト ブラウン一、三七七? | 01006 ・・・英国サー・トマス・ブラウンの『俗説弁惑』にプリニウスの説を破り居る。 |
(03) | 01 | C4 | 好悪 | 猬ニ制セラル 本草 | 01010 また、人や諸獣に勝つが蝟に制せらる、とある。 |
(03) | 02 | C4 | 好悪 | 羊角煙忌ム | 01010 また、虎は羊の角を焼いた煙を忌み、その臭を悪んで逃げ去る。 |
(03) | 03 | C4 | 好悪 | 犬ニ酔フ 本綱 | 01010 『本草』に、虎が狗を食えば酔う、狗は虎の酒だ。 |
(04) | 01 | C4 | 行為 | 獅子女陰示ス 英五120 レオアフリカヌスノ記 | 01010 十六世紀にレオ・アフリカヌスが著した『亜非利加紀行』に、婦女山中で獅に出会うた時その陰を露あらわせばたちまち眼を低うして去る、とある。 |
(04) | 02 | C4 | 行為 | 食ヒ始メ女陰不食 淵17オ | 01010『淵鑑類函』に「およそ男子を食らうに、必ず勢より始む。婦人は必ず乳より始む。ただ婦人の陰を食わず」とは大椿件だ。 |
(04) | 03 | C4 | 行為 | 虎大害 及馬虎 アストレーiv.313 | 01011 また支那の書に馬虎を載す。全く馬同様だが、鱗を被り虎の爪あり、性殺を好む、・・・(アストレイ『新編紀行航記全集巻四、頁三一三)。 |
(04) | 04 | C4 | 行為 | 人食フコトニ耳カク、淵17ウ | 01010 『物類相感志』に、虎が人を食うごとに耳上に欠痕もしくは割裂を生ずる、その数を験して何人食ったと判る、とある。 |
(04) | 05 | C4 | 行為 | 尾ヲ帆トス打ハ擒スヘシ 淵17ウ | |
(04) | 06 | C4 | 行為 | 中陵慢録 諸獣ノ好悪仝 | 01010 縢成裕の『中陵漫録』二に、虎狗を好み、狗赤小豆を好み、猫天蓼を好み…みなまで啌でなかろう。 |
(04) | 07 | C4 | 行為 | Romanes 豹愧アルコト | 01020 猫属の輩は羞恥という念に富んでおるもので、虎や豹が獣を搏ち損う時は大いに恥じた風で・・・ |
(04) | 08 | C4 | 行為 | 三打不中捨 本草 | 01020 『本草』にも「その物を搏つや、三たび躍って中らずんば、すなわちこれを捨つ」と出づ。 |
(05) | 01 | C4 | 虎大害 | シンガポール毎日トラル ワリス24. | 01011 このほど死んだワレス氏が六十年前シンガポールに寓した時、常に近所を彷徨く虎若干ありて・・・支那人を平均日に一人ずつ殺した、と『巫来群島篇』第二章に言われた。 |
(06) | 01 | C4 | 兇 | 虎食人ハ官人悪キ故 淵 18ウ | |
(06) | 02 | C4 | 兇 | 虎ニアヘル村移ス 英三一.209 | 01011 -01012エイモニエーの『安南記』にはオラングライー族の村に虎入って人なり犬なり豕なり一頭でも捉わるると直ぐ村を他処へ移す、と見ゆ。 |
(07) | 01 | C4 | 虎稀ニ人殺ス | Toda 432 | 01011 インドのニルゲリ山間などは、虎はあれど人を殺すこと至ってまれだが・・・(リウァース著『トダ人族篇』四三二頁) |
(08) | 01 | C4 | 虎媒 | 虎媒シテヨメトル 淵二九ウ | 01012 『類函』巻四二九に…虎に搏たれ逃げ来た者…婚姻をなし、目けて虎媒と言った、とある。 |
(09) | 01 | C2 | 狩 | 帝虎狩ル アストレーiv.710 | |
(09) | 02 | C2 | 狩 | 爪哇シンガポール虎アリ ワリス24.108 | (06)02を参照。 |
(09a) | 01 | C4 | 虎殺セシモノ賞ス | 秦昭襄 淵一九オ | 01012 秦の昭襄王の時、白虎害を為せしかばよく殺す者を募る…と『類函』に『華陽国志』を引いておる・・・ |
(09a) | 02 | C4 | 虎殺セシモノ賞ス | 虎皮楯ニ用ル免許 英十四84 | 01012一六八三年ヴェネチア板、ヴィンチェンツォ・マリア師の 『東方遊記』に…この辺の虎に三品あり、武功の次第によってそれぞれの虎の皮を楯に用いうる・・・とある。 |
(09a) | 03 | C4 | 虎殺セシモノ賞ス | 虎殺サスハ王トナレス 英十四83 | 01012・・・『東方遊記』に西インドコチン王は・・・白質黒条の虎を獲るにあらざれば即位するを得ず。 |
(09a) | 04 | C4 | 虎殺セシモノ賞ス | 虎殺セシ勇士銭ヲ得 英一四85 | 01012 また虎を殺した者は・・・金また銀に金を被せたる環、中空にして小礫また種子を入れたるを賜う。 |
(09a) | 05 | C4 | 虎殺セシモノ賞ス | 豹殺セシモノ勧賞ノコト デンネット9及80 | 01013 例えせばデンネットの『フィオート民俗篇』(一八九七年版)十八章に「豹を殺した者あると聞いて…王この盛事のために大饗宴を張る」とある。 |
(10) | 01 | C4 | 徳 | 管子 淵18オ 虎人ニ近クコトナシ | 01014 『管子』に「虎豹は獣の猛者なり、深林広の中におれば、すなわちその威を畏れてこれを載す。虎豹その幽を去って人に近づけば、すなわち人これを得て、その威を易る・・・」。 |
(10a) | 01 | C4 | 虎シテ罪ヲ判ズ | 淵二一ウ 二条 | 01053 梁の釈宝唱の『比丘尼伝』二に「竹林寺・・・常に一虎あり・・・寺内の諸尼、もし罪失を犯し、時に懺悔せずんば、虎すなわち大いに怒り、懺悔もし竟れば、すなわち怡悦す」。 |
(10a) | 02 | C4 | 虎シテ罪ヲ判ズ | ナカシメテ二虎ノ罪ヲ判ズ 淵二七ウ | |
(11) | 01 | C4 | 弱イ虎 | 子路ニ尾デヒキヅラル 淵19オ | 01016『衝波伝』に、・・・子路・・・水所にて虎に逢い、戦うてその尾を攬りこれを得、懐に内れ水を取って還る。 |
(11) | 02 | C4 | 弱イ虎 | 獅子弱ク老人ニ尾食ルスヴエンヘジン英五89 | |
(11a) | 01 | C4 | 怯 | クサメシテ虎落死ス 淵二一ウ | 01016-017『朝野僉載』には・・・虎の鬚がその人の鼻孔に入り、ハックションとやった声に驚き、その虎が崖から落ちて人に得られた、とある。 |
(12) | 01 | C4 | 虎人ヲ乳ス | ロメーンズ猫他物ヲ乳ス | 01021 ロメーンズの『動物知慧論』に、猫が他の猫を養い、はなはだしきは鼠をすら乳することを載せ… |
(12) | 02 | C4 | 虎人ヲ乳ス | 令尹子文 オトノコト 淵二八オ | 01020 『左伝』に楚の…令尹子文・・・幼名を闘穀於菟、すなわち闘氏の子で虎の乳で育った者と言った、と見ゆ。 |
(12) | 03 | C4 | 虎人ヲ乳ス | 狼ニ食ハルヽ子 四一68 | |
(13) | 01 | C4 | 飼食 | 桀 市ニ放シコト 十八ウ | 01017 『管子』に、桀王の時、女楽三万人、虎を市に放ってその驚駭を見て娯んだ、とある・・・ |
(13) | 02 | C4 | 飼食 | 羅馬デ車牽セシコト | 01017 ローマ帝国の盛時、虎を多く畜って闘わしめ、また車を牽かせた例もある。 |
(13) | 03 | C4 | 飼食 | 爪哇虎戦ハス 英四六147 | 01017 今もジャワで虎や犀を闘わす由(ラッツェル『人類史』二)。 |
(15) | 01 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 抜二十 宋高十二虎伺候ス | |
(15) | 02 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 抜二十九 神僧伝一 虎穴ヲ辱フ/二 虎ニ経キカセ伏ス 巻四 虎闘ヲ解ク 虎詰使ヲフセグ/四 虎跑泉、虎ヲ飼飯石トナル/六 虎ノ穴カルコト | 01017南嶽の慧思は山に水なきを患うると二虎あり師を引きて嶺に登り地を跑いて哮ると虎跑泉とて素敵な浄水が湧出した。また朝廷から詰問使が来た時二虎石橋を守り吼えてこれを郤けた。 |
(15) | 03 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 惟清虎伺候跡ヲ滅ス | |
(15) | 04 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 普聞虎ニ騎ス 抜十九 | 01017 唐の僖宗の子普聞禅師は、山に入って水なきを憂うると、虎が行者に化けてその種子をくれて耕植し得た。 |
(15) | 05 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 抜廿 豊干騎虎 | 01017 唐の豊干禅師が虎に騎って松門に入ったは名高い談・・・。 |
(15) | 06 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 抜一九巻三十 一虎一蛇守ル 宋高僧十九 | |
(15) | 07 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 抜十九巻九 学道闡渡河、 | 01017西晋の末天竺より支那に来た博識耆域は渉船を断られて虎に騎って川を渡り、 |
(15) | 08 | C2 | 倚人ヲ敬ス | 巻十九 両虎闘ヲトク 廿 虎ヲカラン又化ス 廿四 虎凶事ヲ生ル四虎別ヲ惜ム | 01017北斉の僧稠は錫杖を以て両虎の交闘を解く・・・ |
(15a) | 01 | C4 | 宗教 | 宜臼叱シテ伏ス 淵一八ウ | 01016『瑣語』に、周王、太子宜臼を虎に啗わさんとした時、太子虎を叱ると耳を低れて服した、と言い・・・。 |
(15a) | 02 | C4 | 宗教 | 虎バカサルコト 淵18ウ | |
(15a) | 03 | C4 | 宗教 | Romanes 狐 | 01016 ロメーンズの説に、狐が足を係蹄に捉われて危殆と見ると、即刻みずから咬み切って逃げるは事実だ、とある。 |
(15a) | 04 | C4 | 宗教 | 獅子弱ク老人ニ尾食ル スベンヘヂン、英五89 | |
(15a) | 05 | C4 | 宗教 | 元ニ世祖獅子ヲ勲牌ニ用ユ 英九102 | 01015 『マルコ・ポロ』紀行に、元世祖、将官に位勲の牌を賜い佩用せしむるに、金また銀を鍍した牌に獅の頭を鐫り付けたとある・・・ |
(15a) | 06 | C4 | 宗教 | 支那デ虎獣王 日本ニハ狼 | |
(15a) | 07 | C4 | 宗教 | 玄奘訳 大毘婆娑論一〇三 抜廿六 虎不如獅等 | 01015 玄奘が訳した『大毘婆娑論』巻一〇三に・・・菩薩菩提樹下に修道するところ魔王攻め来たる。菩薩念ずらく、・・・魔軍狗・狼形を作し来たらば、豺・豹形、豺・豹形で来らば虎形、虎形で来ると師子形・・・。 |
(15a) | 08 | C4 | 宗教 | オヤ[ナ?]ジ又上 猫ヲ名付ル話 | 01015 猫は猫だから猫と号く。さて攷うると、猫より強いから虎・・・猫を猫と号けて最初の名に戻った。 |
(15a) | 09 | C4 | 宗教 | 獅子ヲ仏ニタトフ 抜廿三 大集譬喩王経 | 01014・・・仏を獅に比べた文諸経に多い、たとえば隋訳『大集譬喩王経』上にいわく・・・たとえば須弥山王・・・すなわち師子獣王と同色なり。・・・ |
(15a) | 10 | C4 | 宗教 | 揚子聖人虎別云々・・・ 上ヲ見ヨ 淵二六オ | 01014 『揚子』に「聖人虎別、君子は豹別、弁人は狸別…」。これは聖人、君子、弁人を順次虎、豹、狸に比べたのだ。 |
(15a) | 11 | C4 | 宗教 | 孝子ニ感シ母ヲユルス 女子搤 淵二八オ | 01017虎が孝子を恵んだ話は二十四孝の内にもあるが、外にも、宋の朱泰・・・われは惜しむに足らず母を託する方なしと歎くと、虎が放ち去った。 |
(15a) | 12 | C4 | 宗教 | ナイテ虎去リシ 二八ウ | |
(16) | 01 | C4 | 人ニ馴ル | 劉牧ニ仕フ 淵二〇ウ | 01017 『独異志』に、劉牧、南山野中に果蔬を植えると…二虎来たり、近づきおり、牧を見て尾を揺がす。 |
(17) | 01 | C4 | 霊物 | 千歳ナレハ角生ス 淵17ウ | |
(17) | 02 | C4 | 霊物 | 角アルモノ牙ナシトイフ説アル 大英類典化石学ノ条 | |
(17) | 03 | C4 | 霊物 | 坐禅三昧法門経上羅什訳 大力賊共住不可信此賊如虎巧覆藏身如是死賊常求殺人 | 04483 虎巧みにその身を覆蔵すと仏経に記され・・・ |
(18) | 01 | C4 | 黒虎皮 | 英十四83 | |
(19) | 01 | C4 | 白虎 | 抜廿四 大智度論十七 白師子黄子師ニマサル | |
(19) | 02 | C4 | 白虎 | 英抜七 草上飛仁獣ノコト | |
(19) | 03 | C4 | 白虎 | 白虎羣 淵二三、二一ウ | |
(19) | 04 | C4 | 白虎 | 虎及鹿兎皆寿千歳 抱朴子 | |
(19) | 05 | C4 | 白虎 | 五百歳ニシテ変ス | |
(19) | 06 | C4 | 白虎 | 抜卅一 釈禅波羅密次第法門 白虎等五種動物ヲ支配ス | |
(19) | 07 | C4 | 白虎 | 淵鑑騶虞之[カ]仝 | |
(19) | 08 | C4 | 白虎 | ブラグデンスキートii.223 虎草食ノコト | |
(20) | 01 | C4 | 虎王 | 虎王 山海経 | |
(20) | 02 | C4 | 虎王 | 五色 抜二十九 神僧伝六 | |
(20) | 03 | C4 | 虎王 | 人ヲ害セス Papon & tiger N&Q 又ハ英三一32-33? | |
(21) | 01 | C2 | 虎城 | シユルツ78. | |
(21) | 01 | C4 | 虎ノ都 | 虎ノ都 英五〇140 | |
(21) | 02 | C4 | 虎ノ都 | 薬効 本草 | |
(22) | 01 | C4 | 幻力 | 人打ツニ衣トカシム 淵二二ウ | |
(22) | 02 | C4 | 幻力 | 課餘十七 茅萱亭客話 | 05433 『説郛』「茅萱亭客話」に「およそ虎に傷つけられて死せる者…魂を倀鬼という」。 |
(22) | 03 | C4 | 幻力 | 猫死尸ヲ魅ス 英三一、171 太陽、 | |
(22) | 04 | C4 | 幻力 | 孔雀制ス 英卅九表45 | 05433 狩猟家チトラーなる英人…孔雀が一所を見詰めて…そこの榛中より虎出て孔雀の方に這い行く、…(一八九九年三月二十日『ル・ヴュー・シアンチフィク』三一七頁)。 |
(23) | 01 | C2 | 骨肉 | P4ヲ見ヨ | |
(23) | 02 | C2 | 骨肉 | 勇ヲ与フ 英三一34 | |
(23) | 03 | C2 | 骨肉 | 女ト同食シテ女性変 英二六裏144 | |
(23) | 04 | C2 | 骨肉 | 帛ヲ得ン為虎肉食フ Cox.199. | |
(23) | 05 | C2 | 骨肉 | 金椏篇 1890 ii.86 | |
(23) | 06 | C2 | 骨肉 | 虎肉治痘 英一四84 | |
(23) | 07 | C2 | 骨肉 | 豹肉令人志性粗豪此獸猛捷過虎故能安五臟補絶傷軽身壯筋骨也 | |
(23) | 01 | C4 | 医薬 | 虎鬚可治歯痛 | |
(23) | 02 | C4 | 医薬 | 仙人鬚ヌク 淵二九ウ | |
(23) | 03 | C4 | 医薬 | 虎牙 淵鑑17オ | 05434 『抱朴子』には…虎の牙は猘犬傷発狂、すなわち今いう狂犬病ラビースを治す…とある。 |
(23) | 04 | C4 | 医薬 | 体ノ要 抜一上/血鬚骨爪肉牙 | |
(24) | 01 | C2 | 爪鬚 | P4ヲ見ヨ | |
(24) | 02 | C2 | 爪鬚 | 血ノミ志ヲ壮ニス 淵二三オ | 05435『茅亭客話』に、猟の名人李吹口、虎を殺して心血を飲む、よく神を壮にし志を強くす・・・。 |
(24) | 03 | C2 | 爪鬚 | 守リトス 英四七76 | |
(24) | 04 | C2 | 爪鬚 | 熊爪尸ヲ厭ス 抜二六裏135 | |
(24) | 05 | C2 | 爪鬚 | 鬚 人ヲ毒ス 英二164 | 01056安南人また信ず、虎鬚有毒ゆえ虎殺せば鬚を焼き失う習いだ。 |
(24) | 06 | C2 | 爪鬚 | 抜一九 続高僧廿一 虎ヲ[カ]ヌク | |
(24) | 07 | C2 | 爪鬚 | 虎頭辟邪 | |
(24) | 01 | C4 | 呪術 | P2(2)ヲ見ヨ | |
(24) | 02 | C4 | 呪術 | 抜二六 速疾立験マケイ首羅天説 | 05435蔵経中の『速疾立験摩醯首羅天説阿尾奢法』は不空の訳だ。虎あるいは牛の皮に・・・火で炙り熏べ・・・ |
(24) | 03 | C4 | 呪術 | 虎皮、歯ノ呪 淵鑑四二九、風俗通 十六ウ | |
(24) | 04 | C4 | 呪術 | 調伏ニ虎狼ノ骨ヲ数珠 抜十寛文九板八文字屋 釈迦八相記 | 05435 寛文九年八文字屋板『釈迦八相記』ちう戯曲に、虎や狼の骨を数珠にして調伏法を行うところがある。 |
(24) | 05 | C4 | 呪術 | 酉陽雑俎 乙骨 | 05435同書(酉陽雑爼)一六には、虎威という物乙字のごとし、長一寸、・・・これは威骨という骨だ。 |
(24) | 06 | C4 | 呪術 | 課餘 十七人ヲシテ風ナランコト 茅萱亭客話 淵18オ | |
(24) | 07 | C4 | 呪術 | 鼻ヲカケレハ官 又ノメハ貴子アリ | |
(24) | 08 | C4 | 呪術 | 虎魄 本綱 淵鑑 目光為石 酉陽十六 | 05436『本草』虎の条に、陳蔵器いわく、虎、夜視るに、一目光を放ち、一目物を看る。 |
(25) | 01 | C1 | 虎避ル法 | 人参食テ首クヽル 養生シテ虎ニ食ル 呂覧 | |
(25) | 02 | C1 | 虎避ル法 | 虎ノ鬚虎ヲフセグ 英二六裏147 | |
(25) | 03 | C1 | 虎避ル法 | 虎ニ呪シテ害セサラシム 英二六裏147 | |
(25) | 04 | C1 | 虎避ル法 | 水牛ヲ虎より防グ呪 Todas 216 267 | |
(25) | 05 | C1 | 虎避ル法 | 虎防グ呪 Blagden & SK ii.294 | 01059-060ブランダ人虎を制する呪を二つ、スキートおよびプラグデンの『巫来半島異教民種篇』に載せた。 |
(26) | 01 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 虎ニ似タ動物怪物 山海経等 | |
(26) | 02 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 月礼 白井博士 | |
(26) | 03 | C2 | 虎ヲ崇拝 | トダス虎ヲ礼ス Todas431. | 01050この書によるに、以前はトダ人が虎に逢うと礼し・・・ |
(26) | 04 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 虎ヲ兄弟トカヨブ Balfour Waghisの條 | |
(26) | 05 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 人ヲ苦メヌ内ハ祖父ト呼ブ 英四七75 | |
(26) | 06 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 先祖ノ霊スムSk.ii.309 アフリカーバリス蛇ヲ祖母トイフ乳ト肉与フ | |
(26) | 07 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 虎人トレハ村移ス 英四三32 | |
(26) | 08 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 殺ヲ憚ル シユルツ77 | |
(26) | 09 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 虎ニ牲 英三一32-33 | |
(26) | 10 | C2 | 虎ヲ崇拝 | 礼記 Ency.Brit ii.52 | |
(26) | 11 | C2 | 虎ヲ崇拝 | スマトラ人 骨ノ虎ニイヒワケスルコト | 01051欧人が虎捕らんとておとしを仕掛けると、夜分土人そこへ之き、虎に告げる体で、これは私らが做たんでない、全くわれらの同意なしに毛唐人がしたのでござると言って帰るそうだ(マースデンの『スマトラ史』二九二頁)。 |
(26) | 01 | B | 虎崇拝 | Balf.シバノ条亀ト蛇 | |
(26) | 02 | B | 虎崇拝 | アポロ神亀トナリ又蛇トナルコト スミス.i.1088. | |
(26) | 03 | B | 虎崇拝 | 四神 礼記可見 バツヂ 白虎守丘 抜廿三 | |
(27) | 01 | C2 | 使ヒ物 | ヂヲニソス グベルナチス ii.160 | 01052ギリシアの酒の神ジオニソスは梟を忌み、江豚・蛇・驢・虎・山猫・豹を愛す(スミス『希臘羅馬人伝神誌字彙』巻一)。 |
(27) | 02 | C2 | 使ヒ物 | シヴア 虎ヲ印号トシ皮ヲキル | 01049普通にシヴァ像は虎を印号としその皮を腰巻とし・・・ |
(27) | 01 | B | 使ヒ物 | Bacchusニ虎随フコト スミスvol.i.13 | |
(27) | 02 | B | 使ヒ物 | シベレ豹ニ乳セラル Smith, i.417 | 01053キベレーは獅を使い物とす、生まれて棄てられ豹に哺まれて育ったという。 |
(27) | 03 | B | 使ヒ物 | Rheaea女神獅ヲ父神トス スミス.iii.648. | |
(28) | 01 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 英抜四三32 淵二二オ | 01053虎が神仏冥理のため悪人を罰した例も多い、『淵鑑類函』に・・・ |
(28) | 02 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 巫ヲ害スル罰虎ニ食ル 英卅六裏六〇 | |
(28) | 03 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 血ヲ礼セヌモノ虎ニ害セラル Toda 417 | 01054 トダ人信ず、ある特殊の地を過ぐるに手を顔に中て四方を拝せずば虎に食わる、と。 |
(28) | 04 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 冥府デ人魂ヲ罰ス Bl & Sk ii-222 | 01054 『巫来半島異教民種篇』二二二頁に、セマン人は酋長死なばその魂虎に移ると信ず。 |
(28) | 05 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 虎ニノルコト[汚れ]ノリ帰ル 淵二九ウ | |
(28) | 06 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 虎ニ牛食ハル理由、トダス185 | 01050 その伝説に、むかしは虎が昼間水牛を守り・・・猫笑って・・・なぜ自分で番しおる水牛を啖わぬか、と言った。…夜中に村に入って水牛一つを盗みそれからいつも水牛を食う事となった(リヴァースの『トダ人族篇』四三一頁)。 |
(28) | 07 | C4 | 虎神ノ為ニテ人ヲ罰ス | 神 人ヲ犯シテ罰セラル 抜廿九 三宝感通録 一 | |
(29) | 01 | C4 | 祭デ虎トル | 祭デ虎トル 祭ラレテ死ス 帝夢ニ見ル 一九ウ | |
(29) | 02 | C4 | 祭デ虎トル | 虎相食フテ責ニ中ルコト | |
(30) | 01 | C4 | 助人 | 虎人ニ医術授ク 抜三 扶桑略記三 | 01052 『日本紀』二四に、「(皇極天皇四年四月)高麗の学僧ら言す、同学鞍作得志、虎を以て友となし、その術を学び取れり。 |
(30) | 02 | C4 | 助人 | 人ヲ助クルコト 抜卅一 観世音義疏 | 01053智者大師の『観世音義疏』に晋の恵達、・・・懸命に称名誦経すると・・・虎跳り出で、諸羌人を奔らし達と小児と免れ得た。 |
(30) | 03 | C4 | 助人 | 虎人ヲ乳ス 広輿記 | |
(31) | 01 | C4 | 報恩 | 淵一九ウ 命活ラレ野獣持クル | |
(31) | 02 | C4 | 報恩 | 骨ヌキ献鹿 西洋ニモアリ 淵二七ウ | 01019 『淵鑑類函』に、晋の郭文、かつて虎あり…口中に骨哽てり…手をもって去ってやると、明日鹿一疋持ち来たって献じた。 |
(31) | 03 | C4 | 報恩 | 女牝虎ニトリアゲバヽスル 佩一二六〇十一行 | 01018 天主教僧ニコラス・デル・テコの『南米諸州誌』に・・・亜米利加獅(ピューマ)の牝が子を産むに苦しむを見、大胆にも進んで産婆の役をしてやった。 |
(31) | 04 | C4 | 報恩 | ピユーマノ為ニ助ケ恩カヘシ 英四九裏6 | 01018 ピューマこれを徳とし、産後外出して獣を搏ち、将来って肉を子供と彼女に分ちくれたので餓死を免がれた。 |
(31) | 05 | C4 | 報恩 | 他[カ]ノ犬子変セルコト 仝10 | |
(32) | 01 | C4 | 苛政ノコト | 太陽トリケシ 日本及日本人ヘカクベシマダカヽヌ十一、二五 | |
(32) | 02 | C4 | 苛政ノコト | 兎軒 淵 孔子 二八オ | |
(32) | 03 | C4 | 苛政ノコト | 獅虎トル税ノコルコト 英四二裏88 | |
(33) | 01 | C4 | 酷吏 | 虎ト狼ノ徳ノ差 五雑組九 | |
(33) | 02 | C4 | 酷吏 | 虎人ヲ食フハ官吏ワルイ故 淵18ウ | |
(33) | 03 | C4 | 酷吏 | 死シテ虎トナリ人食フ 一九ウ | |
(33) | 04 | C4 | 酷吏 | 政利ノ刀ノ銘 羅山 | |
(34) | 01 | C2 | 時節ノカハリハ人食ニ及ブ | 俗ワルクナリ人食フニ及フ 課餘十七 茅亭客話 | |
(34) | 02 | C2 | 時節ノカハリハ人食ニ及ブ | 牛尽レハ食フ ウルク46 | |
(35) | 01 | C4 | 醇吏 | 五雑俎九 虎神像ニ打レ死スルヲ徳トシ唄フ | |
(35) | 02 | C4 | 醇吏 | 不道ナレハ狼虎ニ食レントイノル 課餘七 朝貢典録 | |
(35) | 03 | C4 | 醇吏 | 別混 淵二七オ | |
(35) | 04 | C4 | 醇吏 | 王ニ不順シテ獣ニ荒サル 英抜五一53 | |
(35) | 05 | C4 | 醇吏 | 宋均虎避ク 淵一九ウ又二一オ 南史 | |
(35) | 06 | C4 | 醇吏 | 虎子ヲ負渡ル 抜二三 | |
(36a) | 01 | C4 | 勇士 | 人ニツカマレハ打ズ 淵十七オ | |
(36a) | 02 | C4 | 勇士 | 朱亥叱ス 淵一九オ | 01024-025・・・『列士伝』に秦王朱亥・・・目を瞋らし虎を視るに眥裂け血出濺ぐ、虎ついにあえて動かず。 |
(36a) | 03 | C4 | 勇士 | 虎ノ舌ヌク 淵二一ウ | 01024『周書』に、楊忠、周太祖竜門の狩に随うた時、独り一虎に当たり、左にその腰を挟み右にその舌を抜く。 |
(37) | 01 | C4 | 虎多ク射ル人 | 十四虎トリシ人 英?抜四七21 | 01025ベッカリは、マラッカのマレー人一人で十四虎を捕えた者を知る由記し・・・。 |
(37) | 02 | C4 | 虎多ク射ル人 | 虎ト彪 淵二二ウ | 01025 字書に、彪は小虎といえり、虎の躯が小さい一変種であろう。 |
(37) | 03 | C4 | 虎多ク射ル人 | 虎多ク射ル人 一人百虎殺ス クルツク47 | 01025 クルックは、西北インドで百以上の虎を銃殺した一地方官吏あり、と言った。 |
(38) | 01 | C4 | 李広射シコト | 李広 淵二七オ | 01025『前漢書』列伝、李広よく射る、出猟し草中の石を見て虎と思い射て石に中て矢を没む、見れば石なり。 |
(38) | 02 | C4 | 李広射シコト | 北轅録 | |
(38) | 03 | C4 | 李広射シコト | 韓詩外伝 熊渠 淵一九オ | 01025 -026『韓詩外伝』に「楚熊渠子、夜行きて寝石を見、もって伏虎と為し…その石たるを知る・・・」。 |
(38) | 04 | C4 | 李広射シコト | 石竹 佩文一二六〇 | 01026 『曾我物語』には・・・斬らんと見れば虎でなくて苔蒸した石だった、その時石に立てた矢が石竹という草となったとある。 |
(38) | 05 | C4 | 李広射シコト | 元達斫樹コト | 01026 『宋史』に「元達、かつて酔いて道傍槐樹を見る、剣を抜きてこれを斬るに樹立ちどころに断つ・・・」。 |
(39) | 01 | C4 | 戦陣 | 虎皮モテ馬ニキセ勝ツ 淵二七オ 師子 淵十オ | 01026 『左伝』に、城濮の戦に晋の胥臣虎皮を馬に蒙せて敵の軍馬を驚かし大勝した、とある。 |
(39) | 02 | C4 | 戦陣 | 抜廿二 後漢録 安宅神児経如来也 白虎朱雀云々 | |
(41) | 01 | C2 | 虎ニ食レタルモノ天ニ生ル | 真如親王 抜二 和州旧跡考五 大和―― | 01026林宗甫の『和州旧跡幽考』五に、超昇寺、真如法親王建つ、・・・七、八十歳の高齢で虎に食われたまいしと記憶する。 |
(41) | 02 | C2 | 虎ニ食レタルモノ天ニ生ル | 抜十六 賢愚因縁経十二 | 01027インドにも、親王の御履歴に少しく似た話が『賢愚因縁経』一二に出でおる。 |
(41) | 03 | C2 | 虎ニ食レタルモノ天ニ生ル | 虎ニ食レシモノ懐中より誦経 抜廿六 経相異律ママ四五 | 01027『経律異相』四五には牧牛児・・・山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む |
(41a) | 01 | C1 | 仙人 | 抜二三 大集経廿四 虎ト交リ十二子生ム | |
(41a) | 02 | C1 | 仙人 | 西域見聞録 馿ト交ル 英一四裏121 | |
(41a) | 03 | C1 | 仙人 | 鹿等ト交ル 英三73 | |
(41a) | 04 | C1 | 仙人 | 今日ノ獣姦皆犬 英三123 | |
(41a) | 05 | C1 | 仙人 | 豕卜ノコト 上野博物館 | |
(41a) | 06 | C1 | 仙人 | 牝獣禁ス 英廿133 高野牝犬ノミユルス | |
(41a) | 07 | C1 | 仙人 | 獣ト交ル聖人 英二一裏59 パシフアエ 馿脣仙人ノコト | |
(41a) | 08 | C1 | 仙人 | 虎ヲ虎ト名ク 一九 猫ヲ虎ト名クルコト | |
(41a) | 09 | C1 | 仙人 | 人ガ鹿子王トナル 英四三225 | |
(41a) | 10 | C1 | 仙人 | 熊人ヲ妻トス 英十ウラ | |
(41a) | 11 | C1 | 仙人 | 師子人ト交ル班足王[斑足王] | |
(41a) | 01 | C2 | 虎人ト交ハル | 獣人ノ祖タリ 人獣ノ祖タリ シユルツ75 | |
(42) | 01 | C4 | 虎ニ食レシヲ上昇行ト思シコト | 二二オ ヘラクリツスノコト 道陵ノコト | 01027-28 支那には、虎に食われたのを知らずに、天に上ったと思っていた話がある。『類函』に『伝異志』を引いて、・・・毎年九月二日の夜道士一人天に登ると言って戸を締む。・・・後漢の張道陵が蟒に呑まれたのをその徒が天に上ったと信じたのにちょっと似て居る。 |
(43) | 01 | C4 | 狐仮虎威 | カキオハル | |
(43) | 02 | C4 | 狐仮虎威 | 江乙謂楚王曰狐・・・ 今昔四四七 | 01015 虎や獅に王威ある由を述べたついでに言いおくは、虎の威を仮る狐という諺だ。これは江乙が楚王に「狐虎の威を仮る」と言った故事で、『戦国策』に出ておる。 |
(43) | 03 | C4 | 狐仮虎威 | 淵鑑一五ウ 上下間違ヒ人ヲ食フ | |
(45) | 01 | C4 | 嘯テ風生ス | 嘯テ風生ス 易曰風従虎 風生ズル時嘯クナラン | 01007 虎嘯けば風生ずとか風は虎に従うとか言うは、支那の暦に立秋虎始めて嘯くとあるごとく、秋風吹くころよりもっぱら嘯くゆえ、虎が鳴くのと風が吹くのと同時に起こる例が至って多いのだろう。 |
(45) | 02 | C4 | 嘯テ風生ス | 狗頭獅ノコト和人ノ子 風前不安 | |
(45) | 03 | C4 | 嘯テ風生ス | アトキンソン レコレクショレス・オップターター ステツペス……四 | |
(45) | 04 | C4 | 嘯テ風生ス | 韃靼 浩原及住民回想記 一八六三143 | |
(46) | 01 | C3 | 虎卜 | クマヲノコト 郷土研究十二月号 | 01057-058クマオは子、辰、申の日が北で、それから順次右へ廻る。・・・(大正二年十二月『郷土研究』六二七頁)。 |
(47) | 01 | C4 | 虎魄 | 虎魄 英二六裏116. | |
(47) | 02 | C4 | 虎魄 | …菌Sket,ii-4 | |
(47) | 03 | C4 | 虎魄 | 人魄 田辺随筆六 | |
(47) | 04 | C4 | 虎魄 | プ-ドルサー | 05437 四年前、六月二十三日の『ネーチュール』に、英国学士会員マッケン・ヒュース教授が述べたは、…星が隕ちると草の上に白い半透明の膠様の塊となって付きおる。これを星腐り(プウドル・サール)と呼ぶ。 |
(48) | 01 | C4 | 枢星精為虎 | 酉陽続四 虎録 避邪嬉遊八 | 01052支那では人ばかりか枢星の精も虎となると言う。 |
(48) | 02 | C4 | 枢星精為虎 | 罔象食フ7 酉陽十三 | |
(49) | 01 | C3 | 怪談 | 由来談 虎猫マネシ人食始ム Todas 431 | |
(49) | 02 | C3 | 怪談 | オンノ出立ニ之ズシテ水牛ヲ食ルヽヤウニナル Todas 185 | 01054オーン子を独り冥界に寘くに忍びず、自分も往かんとて告別に一切の人、水牛および諸樹を招ぶに、みな来たれどもアルサンクタンという人の一族とアルサイイルという水牛の一族と若干種の樹は来たらず。オーンこれを詛う。 |
(49) | 03 | C3 | 怪談 | 虎ニ針ナラフコト 抜三 扶桑略記 | 01052『日本紀』二四に・・・虎、その針を授けていわく・・・これを治めば、病愈えずということなし、と。 |
(49) | 04 | C3 | 怪談 | 虎ニ食ルヽ人ノ運 虎ニ食レシ人ノ霊 英二六裏115 | |
(49) | 05 | C3 | 怪談 | 魚食テ虎ニ化スル人 酉陽続集二 十二オ | |
(49) | 06 | C3 | 怪談 | 虎ニ食レテ人ヲ導ク 倀鬼 課餘十七 茅亭客話 | 05433 『説郛』「茅萱亭客話」に「およそ虎に傷つけられて死せる者…魂を倀鬼という」。01051にもあり。 |
(49) | 07 | C3 | 怪談 | 活馬 虎ヲ役ス 太陽五 | |
(49) | 08 | C3 | 怪談 | 虎ノ皮ノ褌、牛馬問?、嬉笑?、田抜 | |
(49) | 09 | C3 | 怪談 | 西面氏ノハナシ 大地草精部 虎皮ヲ腰ニマク 抜廿三 六四套 不空…神変真言経 | |
(49) | 10 | C3 | 怪談 | 両道人ニグルコト 王子虎ニ身与ル 抜廿三 前世三転経 | |
(50) | 01 | C3 | 仏 | 虎ニ投身 抜廿二 菩薩投身餓虎起塔因縁経 抜廿四 大智度論十六 | 01028北涼の法盛訳『菩薩投身餓虎起塔因縁経』によれば、如来前身乾陀摩提国の栴檀摩提太子たり・・・合手して身を虎の前に投じ、母虎これを食うて母子俱に活くるを得た。 |
(50) | 02 | C3 | 仏 | 仏前身虎タリ 節[カ]女娵リシコト 法苑 | |
(51) | 01 | C3 | 獣話 | 野干師子虎離間 抜廿六 経律異相 四七 四分律初分第九巻 十誦律九 法苑九三、一九ウ | 01040『四分律』一一に、善牙獅子、善搏虎と伴たり。一の野干ありて・・・何とか二獣を離間せんとて師子に告ぐらく、・・・。 |
(51) | 02 | C3 | 獣話 | 野干 抜七 松屋筆記六四 | 01042『松屋筆記』六三に「『曾我物語』など狐を野干とする事多し、されど狐より小さきものの由・・・。 |
(51) | 03 | C3 | 獣話 | 外人ノ物公共神ト見ル 英五二71 | |
(51) | 04 | C3 | 獣話 | 七日不食天ニ生ル 抜二七 諸経要集一 | 01042・・・かく不埒千万な野干も七日不食十善を念じ兜率天に生まれたと『未曾有経』に出づ。 |
(51) | 05 | C3 | 獣話 | シエフネル 三二九頁 | 01040シェフネルの『西蔵説話』(一九〇六年版)には、むかし林中に牝獅と牝虎おのおの子一疋伴れたるが棲んだ。 |
(51) | 06 | C3 | 獣話 | 虎人ヲ誘ヒ熊シテ殺サシム 手[カ]帳 | |
(51) | 07 | C3 | 獣話 | 虎ニ牛食ハレヤケニナル人 | |
(51) | 08 | C3 | 獣話 | 虎野猪ト闘ハヌコト 並ニ 牙ヲ惜ミ小虫ヲ食ハズ 抜廿四 中阿含 十六 | |
(51) | 09 | C3 | 獣話 | 虎獅以下諸獣相驚シ走ルコト シエフネル 二二章 | 01046シェフネルの『西蔵説話』に・・・獅が虎から伝え聞いて山麓まで逃げ去った。 |
(51) | 10 | C3 | 獣話 | 似タ話 オウエン 269-70 | |
(51) | 11 | C3 | 獣話 | 野干鶏食フ話 Clouston, Cumulative story | 01046この話の体はいわゆる逓累話(キユミユラチブ・ストリー)というもので、グリンム、クラウストンその他の俚話を蒐めた著書に多く見える、「クラウストン」より一例を引くと・・・ |
(51) | 12 | C3 | 獣話 | 近松世話 883. | |
(52) | 01 | C2 | 虎ノノコリ食フモノ | オロコマ | 10088英文論考"A Singular Mammal called "Orocoma""(「オロコマ」という奇妙な哺乳類)。『ネイチャー』誌一九一〇年七月十四日号掲載。 |
(52) | 02 | C2 | 虎ノノコリ食フモノ | 野干虎師ヲ見テ特異ニナク、英四一裏48 | |
(52) | 03 | C2 | 虎ノノコリ食フモノ | 師子ノ助ニヨリ生ク 今昔四四九 | 01043『今昔物語』に仏経の野干を狐とした例芳賀博士の攷証本に明示されいる、その四四九頁に『経律異相』から引いて・・・ここに野干が師子に恩を受けたとせるには訳ある事で・・・。 |
(53) | 01 | C1 | 民俗 | 虎オドス具 英二三裏29 | |
(53) | 02 | C1 | 民俗 | 虎子ノ川渡リ プリニii.276 | |
(53) | 03 | C1 | 民俗 | 有害動物名イハヌコト 英二五裏13 | |
(53) | 04 | C1 | 民俗 | 虎鬚 虎骨ノ薬功 英抜三一33 | 01056安南の俗信に、虎に骨あって・・・これを帯びると弱った人も強く、心確かになる・・・(ランド『安南民俗迷信記』)・・・虎の鬚・・・灰に焼いて服すとその人咳を病む・・・。 |
(53) | 05 | C1 | 民俗 | 綽名付ルコト 裏23 | |
(53) | 06 | C1 | 民俗 | 北越雪譜 熊狼 | 01006・・・『北越雪譜』に杣人や猟師が熊狼から女根まで決して本名を称えぬ例を挙げ・・・ |
(53) | 07 | C1 | 民俗 | 郷土研究 狼 | |
(53) | 08 | C1 | 民俗 | 虎ノ名別ニイフコト 英二六裏147 | |
(53) | 09 | C1 | 民俗 | 虎等ノ脂ヌリ他ノ獣驚スコト 抜二十四 十誦律毘尼序巻下 | 01058六群比丘、獅、虎、豹、豺、羆の脂を脚に塗り、象、馬、牛、羊、驢の厩に至る。皆その脂臭を嗅いで覊絆を拽頓り驚走す・・・(東晋訳『十誦律毘尼序』巻下)。 |
(53) | 10 | C1 | 民俗 | 虎交リ月暈ム | |
(53) | 11 | C1 | 民俗 | 村ニ入レハ伝染病ノシルシ、英二265 | |
(53) | 12 | C1 | 民俗 | 狼熱疫始ム 西王母 玄同放言 | 01058熊野で聞いたは、狼もっとも痘瘡の臭を好み、この病流行る時村に忍び入って患者に近づかんとす、と。『山海経』に、崑崙の西に玉山あり、西王母おる。 |
(53) | 13 | C1 | 民俗 | 虎乳菌ノ精ノコト スキート 二~四頁 | 01061またもし子の魂が托った鳥を殺す時ススハリマウ(虎乳菌)の在る上へ落したら、その子生まれて不具となる。 |
(53) | 14 | C1 | 民俗 | 虎避ル法 黄公ノコト 文選 法 | 01059『西京雑記』にいう、東海の黄公、少時幻をよくし、蛇や虎を制するに赤金刀を佩ぶ。 |
(53) | 15 | C1 | 民俗 | 頭上七星 日数分ル 抜三十一 金光明経文句 | |
(53) | 16 | C1 | 民俗 | 虎テ大罪ヲ断セシム 淵二一ウ | |
(53) | 17 | C1 | 民俗 | 虎ノ罪ヲ断ス 二七ウ | |
(53) | 18 | C1 | 民俗 | 虎ニ話シテ殺ス事 英三一32-33. | |
(53) | 19 | C1 | 民俗 | 虎ヲ傷[カ]クルヲ漢[カ]人ニ帰ス フレザーⅱ.70 | |
(53) | 20 | C1 | 民俗 | 兎虎ニ化スル/兎虎ニ化スル端 | |
(53) | 21 | C1 | 民俗 | 虎ノ門 | |
(53) | 22 | C1 | 民俗 | 虎ニカツ草 虎斑ヲ身ニ画ク 虎ヲ裏衣ニ画ク Blagden & Skeat ⅱ.52 | |
(53) | 23 | C1 | 民俗 | 虎精ニ下痢及疝痛ヲ帰ス ⅱ.260 | |
(53) | 24 | C1 | 民俗 | 村虎ノコト 英抜四七75 | |
(53) | 25 | C1 | 民俗 | 虎ノ祖先 ⅱ.188-9. | |
(53) | 26 | C1 | 民俗 | 虎古木腐ラセ[カ]人魂ヲ冒[カ]ス 蛭ヤクコト 犀鳥ノ羽虎射ル矢ニ用ルワケ | 犀鳥は神方で蛇の頸を銜え持ち行くところへプレ神が来る。故に虎を射る場合に限り犀鳥の羽を矧いだ矢を用いてこれに厭勝つのだ。セマン人言う藪中に多き木蛭が人の血を吮るを引き離し小舎外で焼くと虎血の焦げる臭いを知って必ず急ぎ来る。 |
(53) | 27 | C1 | 民俗 | 虎ヲ葬ル礼 ⅱ.223 | |
(53) | 28 | C1 | 民俗 | 猟人コブカツキ追ヘハ虎怒ルコト | |
(53) | 29 | C1 | 民俗 | 虎成仏シテ葬ス序[カ] 成仏シテ草食フ 仝 | |
(53) | 30 | C1 | 民俗 | 蛇ト中ヨシ 同 | |
(53) | 31 | C1 | 民俗 | 虎ノ斑ノワケ ⅱ.294 | |
(53) | 32 | C1 | 民俗 | 虎自ラ唄フ ⅱ.365 | (スキートおよびプラグデンの書、上出三―五頁)。同書に・・・ベシシ族間に行わるる虎が唄うた滑稽謡を載せ居る。 |
(53) | 33 | C1 | 民俗 | トダスオンノコトニアリ 牛虎ニ食レ始ルコト p.185 ドダズ | (49)02を参照。 |
(54) | 01 | B | 笑話 | 虎字避犬 虎ノ刺ヌク虚言 虎ノ紋ノ剃[刺]青図 ラツツエル | |
(55) | 01 | C2 | 虎ノ妖怪 | 西遊記 | 01050小説『西遊記』などに虎の怪多きを見て、いかに支那人が深く虎を不思議としたかが分る。 |
(55) | 02 | C2 | 虎ノ妖怪 | 虎形鬼 抜二十一 仏本行集経二八 魔菩薩ヲオドス所 | |
(55) | 03 | C2 | 虎ノ妖怪 | 虎ノ時々名イフヲオソル 英三一32 | |
(55) | 04 | C2 | 虎ノ妖怪 | 兎ガ虎ニ化ス 虎ノ時婿兎 十六法教十二 | |
(55) | 05 | C2 | 虎ノ妖怪 | 陀羅尼雑集四ノ兎虎ヤ師子形等ニ化シテ人ヲ悩ス | |
(56) | 01 | C2 | 宋元 | 三目虎首ノ怪 日記 | |
(56) | 02 | C2 | 宋元 | 英三六裏96 素女ヲ犯ス犬 レツキー通義史 | |
(56) | 03 | C2 | 宋元 | 同上 人殺サネハ渡レヌ道 裏76―7 | |
(56) | 04 | C2 | 宋元 | 回教 罪ノ橋 セマキ橋 英三六136 | |
(57a) | 01 | C4 | 法ニテ虎ヲ制ス | 虎ヲシカリ石ニ化ス 淵二七オ | |
(58) | 01 | C4 | 動物虎ニ化ス | 兎虎ニ化スル 論四五56 | 01060 カニンガム大尉の『印度ラダック通過記』に…往古クリアン・チャンド王が狩すると、兎一疋林中に逃げ入って虎と化けた。 |
(58) | 02 | C4 | 動物虎ニ化ス | 玃獅虎ニ化ス 英三一28 | 01060 ランドの『安南民俗迷信記』に、コンチャニエンとて人に似て美しく、年歴ると虎に化ける猴あり、と。 |
(59) | 01 | C4 | 貙虎 | 人化シテ虎トナル 英五十140 | 01052『本草綱目』等に言える貙虎、英語でウィヤーマン、貙人また貙氓、英語でウィヤータイガー、前者は虎人に化け、後者は人虎に化けるのだ。支那、インド、マレー半島その他虎の産地には大抵この俗信が存する。 |
(59) | 02 | C4 | 貙虎 | ?人虎ニナル事 法苑珠林四十三 | |
(59) | 03 | C4 | 貙虎 | マレー人虎ニ化ス BL&SK ii.191. ii.221, 225以下 | |
(59) | 04 | C4 | 貙虎 | 虎実ハ人後明リノ為化ス Sk & Bl ii.325 | |
(59) | 05 | C4 | 貙虎 | 役小角、古キ伝也 | 01052 わが邦にも、道照入唐して役行者が化けた虎を見たと伝う。 |
(59) | 06 | C4 | 貙虎 | 牛哀虎ニ化ス 淵二六オ | |
(59) | 07 | C4 | 貙虎 | 虎ニナル術 淵二〇オ | |
(59) | 08 | C4 | 貙虎 | 国ヲ建ルヲ教ユ 二〇ウ | |
(59) | 09 | C4 | 貙虎 | 博物志 淵一七ウ 括地図 老人ナル、 | |
(59) | 10 | C4 | 貙虎 | 虎化スル人鼻ナク筋ナシ 英四七75 | |
(59) | 11 | C4 | 貙虎 | 画ニ虎ヲ見テ逐ニ虎トナル 淵二四オ | |
(59) | 12 | C4 | 貙虎 | 夫妻夜虎トナリ人ニ殺サル 夫妻夜虎トナリ人ニ殺サル 淵二四ウ | |
(59) | 13 | C4 | 貙虎 | コンヅ丞虎ニ化ス Co&-90 | |
(59) | 14 | C4 | 貙虎 | 人野猪ニ化ス アボツト・マケドニアン民俗 | |
(59) | 15 | C4 | 貙虎 | 人狼 人豹 人斑狼 人熊 淵鑑三二一 十オ | |
(59) | 16 | C4 | 貙虎 | 狼頭神 函三二〇 九ウ | |
(59) | 17 | C4 | 貙虎 | 人ヲ畜生ニナレリト信ゼシム 抜二十二 大仏頂首楞厳経 雑九 | |
(59) | 18 | C4 | 貙虎 | 神ノ物ヌスミシ罰ニテ虎トナル 淵二三ウ | |
(60) | 01 | C4 | 虎化シテ人トナル | 鬼虎 婦人ニ化ケ婢ヲ腹痛セシメ殺ントス 淵二六ウ | |
(60) | 02 | C4 | 虎化シテ人トナル | 虎ヲ化シテ輿夫トスル僧 淵二三ウ | |
(60) | 03 | C4 | 虎化シテ人トナル | 虎人ニ化来リ吟詠ス 淵二六オ | |
(60) | 04 | C4 | 虎化シテ人トナル | 尾焼ハ全クナル 淵18 | |
(60) | 05 | C4 | 虎化シテ人トナル | 亭長ニ化ケアザムキ去ル 淵二〇ウ | |
(60) | 06 | C4 | 虎化シテ人トナル | 虎檻セラレ化人 淵二一ウ | |
(60) | 07 | C4 | 虎化シテ人トナル | 虎死後ニ化シ穽ニ入ル 淵二五オ | |
(60) | 08 | C4 | 虎化シテ人トナル | 虎人ニ生ルヽ相 王子戒目 因縁経 | |
(60) | 09 | C4 | 虎化シテ人トナル | 賊ヲ教シ人ヲ助ク 抜卅一 観音玄義記 | |
(60) | 10 | C4 | 虎化シテ人トナル | 虎尼法ヲ護ス 抜十九 比丘尼伝二 | (10a)01を参照。 |
(60) | 11 | C4 | 虎化シテ人トナル | 女ニ化シ悪人ヲ罰ス 淵二三ウ | |
(61) | 01 | C2 | 生レカハリ | 生レカハリ 十六 阿育王経九 | |
(61) | 02 | C2 | 生レカハリ | 虎子人ニ生レカハリ七才得道 | |
(62) | 01 | C2 | 虎ヨリ人ニ生レタル相 | 虎より人ニ生レタル相 王子法益壊目因縁経 | |
(63) | 01 | C2 | 奇物 | グベルナチスii.160 マンチコラ虎尾デ射ル | |
(63) | 02 | C2 | 奇物 | 前虎後鹿ノ奇物 英四七75 狼狽 酉陽十六 | |
(63) | 03 | C2 | 奇物 | 半虎 淵 西洋ノ龍二脚 人類[学]会雑誌 | |
(64) | 01 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 獒虎ニカツ 舩中ノ人トル 英十114 | |
(64) | 02 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 虎鷲 淵四二二 六オ | |
(64) | 03 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 課餘 茅萱寒話 眉毛ヲヌキ 虎ヲ殺ス | |
(64) | 04 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 本草 酉揚十六 天鉄熊師ヲ擒ス | |
(64) | 05 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 怯ナルガ一人ナリ | |
(64) | 06 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 蟹、クロポトキン | |
(64) | 07 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 爪ナキ虎王戎オソレズ 淵二八ウ 世ニコンナコト多シ | |
(64) | 08 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 豪猪 獅子サス 英廿九裏65 | |
(64) | 09 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 人サス 英十一113 | |
(64) | 10 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 虎口ノコト 牛馬問20 | |
(64) | 11 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 獅子虎死ス 英十一171 | |
(64) | 12 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 人類学会、虎鷹 | |
(64) | 13 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 水牛ニ蹴殺サル Toda 184 | |
(64) | 14 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 小獣 淵二三ウ | |
(64) | 15 | C4 | 虎ニ勝ツモノ | 抜三 西宮記 十九 英十二104 | |
(65) | 01 | C2 | 豹 | 印度虎ノ弟トイフ 英四三209 | |
(65) | 02 | C2 | 豹 | 淮南子 蛇豹ヲシテ止ラシム | |
(65) | 03 | C2 | 豹 | 本草 禽虫述云 虎生三子一為豹 | |
(65) | 04 | C2 | 豹 | 廣志狐死首丘豹死首山不忘本也、其胎至美為八珍之一 | |
(65) | 05 | C2 | 豹 | 虎ニ似タモノ ジヤクアル 人打ニ下等より始ム 英四九裏20―21 | |
(65) | 06 | C2 | 豹 | ペルーニテコーガルト鷹ト貴人ノ紋トス 英四八132 | |
(65) | 07 | C2 | 豹 | 英四八104 ペルー国ジヤグアルノ瓶 | |
(65) | 08 | C2 | 豹 | コランドプランチ284 南米大虎大兎対舩ノ事 | |
(65) | 09 | C2 | 豹 | メキシコノ暦プレスエツト | |
(65a) | 01 | C2 | オロコマ | エヂフイアント Ⅴ.46. 466 | |
(65a) | 02 | C2 | オロコマ | 野干 バルフオール | |
(66) | 01 | C2 | 虎ヲ名トスル人 | 八元八愷 大磯虎 抜十二 類聚名物四〇 | 01062『類聚名物考』四〇に、『異本曾我物語』に「かの虎と申す遊君は、母は元来平塚の者なり・・・」 |
(66) | 02 | C2 | 虎ヲ名トスル人 | 虎屋 芝居 饅頭 近世奇跡考 | |
(66) | 03 | C2 | 虎ヲ名トスル人 | 虎薬師 塩尻上四六六 | |
(66) | 04 | C2 | 虎ヲ名トスル人 | 虎字犬ヲサク 嬉笑八 | 05157『嬉遊笑覧』八に、「・・・悪犬に遇わば、左手をもって寅より起こし、一口気に吹き、輪って戌に至って、これを搯めば、犬すなわち退き付す」。01514にもあり。 |
(66) | 01 | B | 虎名ノ人 | サルヅラカルナ虎耳 舎頭諫 阿難本名 | 01062仏教の第二祖阿難の本名舎頭諫(サルズーラ・カルナ)、これは虎の耳の義だ。 |
(66) | 02 | B | 虎名ノ人 | 虎行狼心 大英類 Gilgit Dard | |
(66) | 03 | B | 虎名ノ人 | 日本及日本人 氏政 虎ノ印 虎屋藤左衛門 抜十五(四?)末巻 | |
(66) | 04 | B | 虎名ノ人 | ●●卿十二支ノ歌 | |
(66) | 05 | B | 虎名ノ人 | 虎子デオドスコト ウゴロモチ 郷土研究五号 | |
(66) | 06 | B | 虎名ノ人 | 抜廿三 陀羅尼集経 廿四 聖閻満德迦威怒王法 | |
(66) | 07 | B | 虎名ノ人 | 虎ノ皮ノフンドシ | |
(67) | 01 | C2 | 虎子ノ筥 | 抜十二 類聚名物二四七 | |
(67) | 02 | C2 | 虎子ノ筥 | 犬張子 抜十四 嬉笑六下 | |
(B右下) | 01 | B | 〔図版リスト〕 | 第一 Arum 第二 ヒルデンブランヂヤ 双鞭藻 第三 野干 角アル髑髏 第四 アームマツト | 01033「第一図 アルム・マクラツム」〔Arum maculatum〕、01037「第二図 ヒルデンブランチア・リヴラリス」、01042「第三図 ジャッカル(野干)」、01054「第四図 アームメット(啖人怪物)」 |
(C1外) | 01 | C1 | 邦人虎伐シ人 | 宗行[于]郎等 巴提使[便] 常山紀談 清正 菅政利 | 01025本邦にはあいにく虎がないから、外国に渡った勇士でなければ虎で腕試しした者がない。膳臣巴提便(『日本紀』)、壱岐守宗于が郎等(『宇治拾遺』)、加藤清正(『常山紀談』)、そのほか捜さばまだ多少あるべし。 |
(C1外) | 02 | C1 | 邦人虎伐シ人 | 武勇 抜五 菅氏世譜 | 01025黒田長政の厩に虎入り恐れて出合う者なかりしに菅政利と後藤基次これを斬り殺す・・・『菅氏世譜』に政利寛永六年五十九歳で歿したとあるから、文禄中虎を斬った時は三十四、五の時だ。 |
(C1外) | 03 | C1 | 邦人虎伐シ人 | 虎殺シ疵デ死ス 抜十五 紀伊続風土記 九十 | 01025『紀伊続風土記』九十に尾鷲郷の地士世古慶十郎・・・手負の虎を刺殺し秀吉に献じたが、噛まれた疵を煩い帰国後死んだ。 |
(C2外) | 01 | C2 | 虎藤丸 | 古橋又玄 清正記三 忠広幼名虎藤丸 | 01063加藤清正の子忠広幼名虎藤丸(古橋又玄の『清正記』三)・・・。 |
(C4上) | 01 | C4 | 飛虎 | 飛狸 抜二四、増一、十、経律異相 | |
(C4上) | 02 | C4 | 飛虎 | グワチマラ | |
(C4中) | 01 | C4 | 虎卜 | 本綱 人ニ卜キクコト 淵二一オ | |
(C4中) | 02 | C4 | 虎卜 | 尾ハシ住処占フ 英二265 | |
(C4中) | 03 | C4 | 虎卜 | クマオノコト | (46)01を参照。 |
(C4下) | 01 | C4 | 性行 | 小児不食 淵17オ 酔人サムルヲマツ仝 | 01010『淵鑑類函』に「虎は小児を食らわず・・・また酔人を食らわず・・・もってその醒むるを俟つ・・・」とある。 |
(C4下) | 02 | C4 | 性行 | 人臭[カ]アレハ打ズ 十七オ 朱亥ノコト 19オ | (36a)02を参照。 |
© 南方熊楠研究会 Society for the Studies of Minakata Kumagusu