『南方熊楠と「事の学」』
橋爪博幸
- A5版上製・カバー、260ページ
- 定価:本体2200円+消費税
- 鳥影社刊
「在野の学者として生きた南方熊楠の生涯は、大きく2つの時期に分けることができる。アメリカを放浪し、ロンドンの大英博物館に通い学問の研鑽にささげた前半生と、和歌山県田辺町に定住し、フォークロア、そして菌類や粘菌類の研究に没頭した後半生とである。
……この間、1902年から1904年まで約2年半にわたり、彼は那智山で隠遁生活をしている。本書は、土宜法龍に宛てた熊楠の書簡を手がかりに、ロンドン時代から主としてこの那智時代の思索に焦点をあてたものである」
<あとがき>より
- 【目次紹介】
- はじめに
- 「事の学」と「心内の快楽」 <1893年・ロンドン>
- 第1章 二つの萌芽
- 第2章 「心内の快楽」をめぐって
- 「燕石考」から導かれた科学と宗教 <1903年・那智山>
- 第3章 まぼろしの著作「燕石考」
- 第4章 科学論 ―「燕石考」から導かれた科学―
- 第5章 「燕石考」の執筆が「心内の快楽」を生んだ
- 第6章 悟りへの道
- 熊野の森、曼陀羅の世界 <1904年・那智山>
- 第7章 失意の底
- 第8章 神秘的な体験
- 第9章 大日如来と無数の如来
- 第10章 一致
- あとがき
- 南方熊楠略年譜・図版一覧・写真一覧