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Thamnostylum piriforme


エダケカビ科、属名には和名がありません。かつてはマキエダカビ属 Helicostylumにはいっていたのですが、
科の中身がずいぶん入れ替わって、今はこう。和名が追い付いていません。
大きい胞子嚢(アポフィシスつき)と、束になって出て、巻枝になる小胞子嚢(アポフィシスつき)を つけること、匍匐菌糸をのばすことが特徴。その中では、この種が一番普通らしいです。
この種は、比較的普通種で、私の手元では、ネズミの糞から出ることが多いです。



これはクマネズミの糞を素寒天培地上に置いた分離平板上に出て来たところ。匍匐菌糸をのばして、寒天培地に着地し、 そこから胞子嚢柄を立てます。くし刺しの団子のように見えるのは、小胞子嚢のかたまり。
大きい胞子嚢は、この先端につけるのですが、つかないことも多いです。



小胞子嚢を上から顕微鏡で見るとこんな感じ。ちなみに、匍匐菌糸にも小さなかたまりがあったので、こちらは 見通しがききます。


小胞子嚢のかたまりのついたところを寒天上に倒すとこんな感じ。ばらばらになった小胞子嚢は、アポフィシスがあって、 全体は涙滴形っぽい。中に数個の胞子がはいっているのも見えます。



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