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Gongronella butleri
Absidiaceae ユミケカビ科、和名は多分ありません。森の土壌から出て来ます。ほとんど土からばかり出て来るという噂。
Absidiaユミケカビ属に似たところが多くて、気中菌糸から胞子嚢柄を伸ばし、枝分かれした枝の先に
胞子嚢をつけます。
ケカビ目のカビとしては、菌糸はかなり細い方で、特に気中菌糸は、とても細く、顕微鏡では光の加減で黒っぽく見えます。
気中菌糸のあちこちから、横枝を出し、その先端に胞子嚢をつけます。横枝の途中で枝分かれする事も良くあります。
横へ小枝を出すような場合と、同じ場所から3本ぐらいに分かれたように見える場合があります。
胞子嚢にはアポフィシスがありこれが球形をしているのがこのカビの特徴です。ユミケカビの場合、アポフィシスは円錐形を
しているので、胞子嚢とまとめて見ると、涙滴形というんですか、漏斗の上にボールをのっけたような格好になりますが、
この種の場合、小さいボールの上に大きいボールを乗せたというか、大小のお団子が串刺しというか、
そういう格好になります。
この状況では、これ以上は見えないので、簡単にプレパラートを作って、倍率を上げます。
さすがに拡大すると、細かいところが見えます。胞子嚢はきれいな球形で、中に胞子が入っているのがわかります。
胞子嚢が崩れ、胞子が散らばってしまうと、あとにはほとんど何も残りません。胞子嚢の内側に柱軸というのがあるのですが、
それがごく小さく、アポフィシスの先に少しふくらんでいるだけの状態です。
胞子嚢柄の、胞子嚢の下のところに、隔壁ができているのが見えます。
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