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タマガヤツリ
Cyperus difformis


水湿地に生えるカヤツリグサです。姿が独特なので、分かりやすい方。全体に柔らかで、 みずみずしい感じなのも、湿地の植物らしいところです。

2004年10月7日にすさみ町の水田で採集したものです。コゴメガヤツリやテンツキ等も一緒に 生えています。



抜いて根を洗いました。これはやや小柄な個体でしょう。根はそこそこ。根出葉は控えめながらしっかりしています。 根元に鞘だけの葉はありません。根出葉の鞘の根元が赤紫に染まっていました。


穂の下から出る包は数が少なくて、2枚のが多いようでした。中でも1枚がよく発達して、ほぼ上に向けて伸びます。 もし茎と同じように断面がしっかりした3角で、もう少し茎の延長に伸びた形になれば、イグサとかホタルイとかの 形になりそう。
穂は小穂の付いている部分の軸がごく短くなっているので、丸いかたまりになります。柄の先には花序がいくつかつきますから、 くす玉をいくつか集めたような姿。一部は、はっきりした柄があって、少し離れています。


小穂の部分の拡大です。多数が密集しています。個々の小穂は扁平で、先が丸い楕円形。
鱗片は先端が丸まって、全体に丸い印象が強いです。果実は細長い形。ただ、意外と各部分が小柄で、 観察が難しかった。全体は大きめなんですけどねえ。




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