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シバスゲ
Carex caryophyllea
日向の草原に生えるスゲ。背丈が低いので、芝生のような草原が維持されている場所に成育します。今まで
見たのは、ため池の土手とか、山頂部の芝草原とか。近所では、富田川の河口部にある、漁船を引き上げる
ところに、芝生になった場所があって、成育しています。
2003年4月23日富田川河口近くにて
何しろ背が低くて、ばらばらに成育しているので、目が慣れないと見えません。これがアオスゲなら、
株立ちの塊になるので見やすいんですが。
2005年5月2日に採集した標本で解体します。
茎の先端に小さくかたまった小穂が、まるでコケのよう。葉はややロゼット風になり、黄緑色。艶が強いのは、
いかにも日向の植物、という感じです。
引っこ抜いて根元を洗うと、地下に太い匍匐枝があります。株はかたまらず、地下を這ってばらばらに
広がる形です。根元には短い鞘があって、少し色づいています。
花茎を取り出してみると、先端に雄小穂、すぐ下に雌小穂の塊、少し離れて雌小穂があり、包葉がそれより少し
長いのが付いてます。
長い包葉の基部には、結構長い鞘がありました。鞘は濃い緑で、一見では茎と区別しにくいほど。
雄小穂は、その鱗片が褐色をのせているので、全体に茶色に見えるのも、アオスゲなどとの違いのようです。
雌小穂は、緑が強く、全体にしゃきしゃきしているというか、ピンと張ったような感じがします。
鱗片は、短い芒があって、全体では果胞より少し長いくらい。果胞は丸々として、短い毛がある様子。
果実はこの通り、倒卵形、3角形。
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