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オニガヤツリ
Cyperus pilosus
水田で見掛ける大柄なカヤツリグサです。安定した湿地にはもっと大柄な種もありますが、水田にはそういうのは
生えませんから、かなり目立つ存在です。ただし、ミズガヤツリも水田周辺ではやや小柄な姿で出て来ます。
やっぱり、放棄水田とかのほうがりっぱなのがあります。採集は、白浜町、富田川付近の湿地的な水田。
2003年10月1日です。うーん、放りっぱなしだなあ。
耕作の行われている水田に隣接した、背の高くない湿地風のところに生えていました。密集すると言うほどでは
ないけれど、集まって生えていました。
見ての通り、抜き出して1本だけにすると、実に寂しい姿です。根出葉も元気ないし、地下茎もありません。
根っこはもう少しあったのですが、引っこ抜きかたがちょっと荒っぽかったですね。これは反省点。
その後にはもう少し丁寧に抜くようになったのですよ。
それはそれとして、弱冠の根出葉があること、それより下に褐色の鞘があるのが分かります。
花序はしっかりしていて、基部からは長い葉状の苞が伸びますが、数は多くない感じ。
花序の拡大です。軸にはっきりと鋭い毛が生えているのが分かります。
小穂です。大きすぎてはみ出してる。2列に鱗片が並んだ典型的なカヤツリグサ属の小穂です。特に、
鱗片の先端がそれぞれ突き出していて、棘々状になっていること、全体に扁平な感じが強い印象を
与えます。
鱗片を剥がすと、しっかりと3角の果実が見られます。ここはミズガヤツリとの大きな相違点ですね
これくらい大柄な小穂だと、解剖や観察は簡単かというと、必ずしもそうではなくて、解剖は簡単なのですが、
めしべが脱落しやすいんですね。柱頭は3つですが、それが確認できるのはやっとこれくらい。
2006年9月
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