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ノゲヌカスゲ
Carex mitrata var. aristata


野原に生える小型種。最初に見たのは覚えていなくて、標本をいろいろ持って「スゲの会」の同定会で見てもらったら、 中にはいっていました。それからも特に見分けることができないでいたが、今年(2003)ふと田辺市秋津町の実家の庭先を 見ると、それらしいものがあった。よく見ると確かにそうで、それから改めて見直すと、そのの道端には随分たくさん あった。そこだけに限れば、アオスゲより多いくらい。やっと見分けがつくようになった、ということらしいですね。

「スゲの会」で教えてもらった区別点は
1;根元の鞘が長い。
2;果胞が小さい。
の2点でした。

今回(2003年)最初に見つけたのが4月10日。この時点で、すでに花は終わっていたもよう。 写真は、ごく低い石垣の隙間からはえて来たもの。匍匐枝を出さないので、大きな株になる。 葉は、全体につやがあり、アオスゲよりてかてかしているような気がする。
引っこ抜いてみると、根元にかなり長く鞘があるのが見える。

小穂は茎の先端に束になっていて、どれも棒状。特に、雄小穂は細くとがっていて、雌小穂の間に 隠れそうになっている。

思いついて花の細部を写真に収める気になったのが5月6日。もう果胞が落ち始めていました。花期がアオスゲよりも1ヵ月足らず 早い様子。果胞が落ちやすいのも面白いですね。
なんとなく果胞がのっぺりした感じで。形はすらりとしているよう。鱗片は果胞より短く、芒がやっと果胞と同じくらいの長さがあります。 果胞をはぎ取ると、種子はすでに褐色に色づいて、先端に盤状の付属物が確認できました。このあたりはあまり特徴がわかりませんでした。

2003年5月
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