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クサスゲ
Carex rugata Ohwi


アオスゲなどによく似た小型のスゲです。あちこちに転々とあるみたいではあるけれど、確実なのは 私としてはこれが初めてか。
名前はシンプルに草のスゲなんでしょうね。確かにアオスゲよりも草っぽいかも。採集は高野山、 タマツリスゲと一緒です。



やや湿った、木陰のところに小さな集団をいくつも作ってました。その様子は小柄なアオスゲなどと 似ていなくはないですが、一つの中心から広がってるのではなく、クッションのような感じです。



掘り出して広げてみると、これはアオスゲとは大違い。株は束にならず、小さいものが細い匍匐茎で つながった姿です。根元にはしっかりした鞘があり、しかし色はごく薄目。



花茎には小穂が互いにかなり離れて付いています。これも個々の小穂についてはアオスゲなんかに似ていますが、 最下の雌小穂の苞に結構幅の広い葉が付いている辺りは独特な感じ。


鱗片には芒が目立たず、果胞はつるつるしています。鱗片はやや短め。


果実は中央に凹みがあるのが特徴とか。やや未熟ながらも、それが確認できます。



なお、この種の特徴として、「乾燥させると黒くなる」ことが挙げられています。実際の乾燥標本は これ。確かに黒くなっていますが、写真では分かりづらいのが悲しい。



2007年6月

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