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キシュウナキリスゲ
Carex nachiana
紀伊半島を含む、ごく限られた地域にだけ分布するそうです。和歌山県でも、あちこちに点々とある状況。
低山の日当たりのよい山裾とかにあるようです。
田辺市新庄ではこの種とナキリスゲ、コゴメスゲが一緒に見られるところがあります。
そういうところでは、比較的狭い範囲ですが、まとまった数があるようです。
取りにいったのは、2003年10月5日。

場所は、低い丘陵地の小さな谷間に梅畑があって、その道沿いでした。細長くて、穂先が長く
垂れ下がっています。こういう写真の取りかただと、葉が写りませんね。
小穂はやや大きめ、数は少なめ、なんとなく赤っぽいというか、黄色っぽいような色をして
見えます。

花茎が長く伸びている以外は、さほど特徴はありません。根元は茶色っぽい鞘が見えます。
匍匐枝は出しません。

小穂はいわゆる雄雌性、一つの小穂で先端部は雄花、下の方は雌花になっています。ただし、穂の先端の小穂では、
雄花の部分がかなり長くなっていました。
小穂は、各節から1つだけでなく、2つついているところもありました。

小穂を双眼実態顕微鏡に載せましたが、大きくて視野からはみ出しました。しかたがないので、先端と途中と
下の端を分けて写真に取りました。下の端では、花がややまばらに分かれてついています。

花一つとりだしました。鱗片が結構大きく、これが全体に茶褐色に色づいています。これが全体の色合いに
影響を与えているようですね。果胞の毛は、よく見るとくちばしのあたりの縁に生えているのがわかります(か?)

果実を取り出しました。扁平で楕円形でした。
2003年10月
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