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カヤツリグサ
Cyperus microiria


ごく普通の雑草ですが、これがかやつりぐさ科の看板を背負っていると思うと…やっぱり、ただの雑草です。 意外と目立ちませんし、コゴメガヤツリとか、まぎらわしいのも多いし。

2004年10月4日にすさみ町の道端、駐車場脇にて採集です。エビスグサ等に交じって生えていました。


引っこ抜いて並べるとこう。根は貧弱な髭根だけ。根出葉も少ないです。根元は赤っぽい鞘に包まれています。
葉に見えるのは、ほとんどが花序の下にある包でした。包は数枚あって、一番長いのは花序よりもずっと長く なっています。
茎の先端の包の間から、小穂の並んだ穂が幾つか伸びています。


穂の一つを拡大しました。小穂がブラシのようにまばらに並んだものが花序の単位になっています。 小さいものでなければ根元の方で枝分かれしています。枝はほぼ軸と直角にでます。そういうのが 緑の太い柄の先についていて、そういう太い軸が茎の先端から数本出る。あるいは、太めの柄なしに茎の先端について いたりします。
全体で見れば、ちょっと線香花火を思わせる姿。


小穂一つを見てみます。小穂は細長い楕円形で、軸からほとんど直角に出る、いわゆる開出する、ってやつです。 小穂の鱗片は小穂の軸の左右に2列、きちんと並んでいます。外側に緑の太い脈があり、その先端は少しとがっています。


鱗片をはずすと、果実が出て来ます。細長くて、断面が三角なのは分かりますが、意外に小さくてなかなか分かりづらいです。


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