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ジュズスゲ
Carex ischnostachya


道端でよく見かける種。 最初のころから見分けがつきやすい種だった。
全体に緑色で、茎が太くて、まっすぐに立つので、すこしごつい感じ。葉は幅が広く、ひだがあって、 断面がM字になるので、さらにがしゃがしゃした感じの草。そんなわけで、判別のしやすい種類。
ただし、オキナワジュズスゲなる変種があるとのこと。そこのところはよくわかりませんね。

道端に見かけるスゲです。裏山では砂防ダムのところにもたくさんある。これは5月6日。

どこにでもあるので、我が家周辺にもあるのだけれど、今回採集したのは日置川町日置の南の海岸近く、 トベラやヒメユズリハの森にある小道にはえていたもの。5月21日、すこし盛りを過ぎていたので、 果胞がぽろぽろ落ちるようになっていました。木陰だったので、這えている様子を撮った写真は見事に ブレまくり。
引っこ抜いてアスファルト道路に出したのがこれ


あらためて根元を写す。鞘にすこし赤みがあります。ついでに穂の部分を。すでにかなり果胞は落ちています。


さあ、双眼実態顕微鏡の下へ。雄小穂と雌小穂の一部が見えていますね。雌花の方に注目しますと、 鱗片がごく小さいのがわかります。
果胞を取り出してみました。大きくてすべすべですね。切り開くと、中に種子が見えます。 果胞の中は、かなり余裕がある様子。

これが種子。柱頭の根元はすこし太くなっていて、ちょっと節みたいになっていますね。


さて、これはジュズスゲなのか、オキナワジュズスゲなのか?
「沖縄県スゲ属植物図譜」によると、両者の違いはオキナワのほうが果胞が小さく、鞘の色が鮮やかな赤だとのこと。
こうしてみると、果胞は4mm足らずとやや小さく、オキナワジュズスゲの方に当たりそうですが、 基部の鞘は赤いとはいえ、鮮やかと言えるのかどうか。もう少し色々比べてみないといけないようですね。

2003年6月

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