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ヒゴクサ
Carex japonica


山道の道端にでてくることが多いですね。水気が多いけれど、湿地というわけではないし。そういう ところのような気がします。背丈はさほど高くなく、細い葉が柔らかな曲線をえがきます。匍匐枝が あって、あまり株立ちにはならないけれど、小さな集団を作ることもよくあります。
茎にも陵があって、全体にざらついた感触があります。

(すさみ町;2002/05/8)


比較的遅い季節に花が咲き、果実も長く形をとどめているので、夏休みまで辛うじて観察できる種の一つ。 もっとも、その頃には触るとぼろぼろ崩れますが。

比較的まっすぐな茎から、花序の柄が細くて長く、柔らかにたわんでいる姿は、なかなか風情があります。 そのせいか、被写体にしたこともちょいちょい。ついでに、包葉も細長い。その基部に鞘がないのは このグループの特徴で、スゲの仲間分けの時のポイントの一つのようです。

さて、すさみ川をさかのぼったすさみ町琴ノ滝近辺の、渓流にそった林道縁で採集しました。引っこ抜いて紙の上に広げましたが、 短い匍匐枝が見える他に、これは多少株立ちになっています。



花序の拡大では、果胞のくちばしが、まるでいがのように突き出ているのがわかります。 その先に出ている茶色い紐は柱頭。枯れてもいつまでも残るのも特徴だとか。若いときは 真っ白なので、花の時期には白いみののようになります。



果実と中の種子も成熟しているのがみられました。

2003年7月

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