水辺の楽校・その後

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(2002年4月)
前回、酷評と失敗予測をたてたが、どうやらこの1年は冠水せずにすんだようである。しかしながら、 酷評の方は取り下げるつもりはない。
昨年、あれから数度見に行った。興味深いのは、よく子供がいることである。それも小学校低学年程度の 子供である。そういう子供にとって大変楽しい場であるのは確かだ。しかし、回りを見渡せばいまだに 岩石砂漠のような景色が広がっている。
芝生とサザンカではどうしようもないだろうが。そもそもこの芝生はどうするつもりなんだろうか?

池そのものは一応健在だ。昨年夏には若干のガマと水田雑草の間をホテイアオイが埋める状態になっていた。 メダカもよく育ち、水棲昆虫もいくらかは見られた。今は、ホテイアオイはわずかを残して枯れており、 そろそろまた緑になって来るようすであった。
ただ、やはりかなり浅くなっているのが問題だろう。深さは2/3くらいになっているのではないか。 それに、池周辺の水際がいまだにきれいなコンクリートのなめらかな壁のままで、コケなどの生える ようすがない。池中央の石の回りに泥がたまっているので、水棲昆虫の上陸の場はあるかもしれないが、 外部との出入りは困難であることに変わりがない。 それに面積が小さいこともやっぱり困る。

とにかく、今の池は子供に喜ばれてはいるにせよ、なんの意味もない施設になっているのが問題だ。
池が小さいので、数人の子供なら遊べるが学校からクラス全体で来るような利用はできない。メダカや 小数の水棲昆虫はいるがカエルもドジョウもフナもいない。周辺は芝生と石ころばかり。まったく池だけが 孤立している。
まず回りの条件が悪すぎる。池から上流側を見ると、この通り芝生と石ばかりの平坦な広場である。 なぜこれほどの面積を芝生にしたのだろうか?河川敷に芝生を植えるのも、サザンカを植えるのも、 どっちも変だとは思うが、ついでにメダカ池も変だとは思うが、それでもあえてメダカ池を作るのならば、 それなりのやり方があるのではないだろうか。
たとえば池のそばには溝があって、溝を挟んで小さな池がもうひとつある。この写真では水が無くなって いるが、年間を通じてほとんど枯れてはいなかったようだ。それならば、この池の部分の少し下でせき止めれば、 それも池になる上に、両側の池をつなぐこともできる。水量もはるかに大きくなる。同じようなものが その上流側にいくつか作れるだろう。
また、溝とその両岸は石を組んだようになっているが、石をコンクリートでかためてあるのか、草が生えていない。 ここに草や低木が生えるようにすれば、そこに虫やカエルも住めようし、色々な動物が山と行き来する 道ともなり、はるかに楽しい場所になるのではないだろうか。
池の回りのサザンカのあるところも、他の植物を入れて木立にするといい。河川敷には木を植えてはいけないの かもしれないが、現に植えている人がいるんだから。植えるんなら、もっとまともなものを植えよう。 そうすれば、少なくとももう少し使い道がでてくるんではないだろうか。
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