◆白浜(しらはま)

※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「高松」(昭和22.3)を使用したものである
所在:小豆島町神浦(こうのうら)
地形図:土庄/高松 五剣山/高松
形態:海沿いの斜面に家屋が集まる
標高:北部―約20〜30m 南部―約10m
訪問:2019年1月
大字神浦の南部、三都(みと)半島の西側で池田湾に面した海沿いにある。
白浜山のほぼ真西に位置する北部と、釈迦ヶ鼻(しゃかがはな:岬の名)付近の南部に分かれ、旧版地形図では前者、最近の地形図では後者の位置に地名が記されている。
まず北部には、車道沿いに「犬の墓」(写真1)がある。以下は説明の立札(平成22年、三都犬の墓保存会による設置)の「由来」より。
昔、白浜山の麓に住む猟師が愛犬を連れて山へ出かけた。一頭の鹿を見つけて夢中で狙っていた。その時、猟師の背後に大蛇が鎌首をもたげ襲いかかろうとしていた。犬はそれに気づき、主人に知らせようと激しく吠えたので、獲物の鹿は逃げてしまった。猟師は迫ってくる危機に気付かず犬を叱った。その時、突然犬は大蛇に噛みつき、死闘の末、大蛇は逃げ山を下って白浜の海に沈んでしまった。しかし愛犬は大蛇との戦いで死んでいた。猟師は自分が愛犬に助けられたことを悟り、墓を建てねんごろに供養を続けたという。
なおこの墓は旧来山中にあったが、不便であるためこの地に移設したという。
「犬の墓」の脇とその少し北側の道路下には墓地があり、白濱姓が確認できる。山側には2、3軒の宅地と農地跡が見られた。
南部では道路沿いに管理家屋が1軒あり、道下には墓地(大森家)がある。
なお付近の釈迦ヶ鼻園地には釈迦堂(写真13)と徳風地蔵菩薩(写真14)があるが、これは蒲野(かまの)の領域となり厳密には白浜に属さない。
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