◆矢野口(やのくち)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「江住」(昭和24.5)を使用したものである
所在:すさみ町矢野口
地形図:市鹿野/江住
形態:川の合流部に家屋が集まる
標高:約120m
訪問:2014年1月・2016年1月・2月
町の北部、城(じょう)川と矢ヶ(やが)谷の合流部にある。日置川町【現・白浜町】との境界にもほど近い。
現在は家屋が1軒と廃屋が1軒、宅地跡に建つ小屋が1軒。下流側から矢の口橋を渡った左手に屋敷跡が1箇所。宮の上(みやのかみ)橋の近くには神社の跡が見られる(写真8)。
なお大字矢野口は近世の牟婁郡矢野口村。明治22年、大都河村(のちすさみ町)の大字となる。江戸期の「続風土記」には12戸46人、明治6年8戸38人、同24年9戸43人。神社に矢倉明神社のほか、小祠が2社。ほか臨済宗の法泉菴があった。耕地が少ないことや交通の便が悪く材木が搬出しづらいことなどで、住民の生活は苦しかった。昭和30年代後半から過疎化が進行し、以降数世帯のみとなる(角川)。
2016年訪問時には、新たに墓地(門屋家)を確認した。
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