◆峰(みね)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「川原河」(昭和28.5)を使用したものである
所在:日高川町熊野川(くまのがわ)字峰
地形図:寒川/川原河
形態:山中に家屋が少数集まる
標高:約400m(国道の登り口は約160m) 訪問:2011年2月
大字熊野川の南部、野々(のの)川右岸の山中にある。
登り口は野々川と日高(ひだか)川の合流部付近だが、よく分からなかったため適当な場所から登って山道に合流した。道のりの中盤には崩壊地が度々現れるが、終盤は植林地のため歩きやすくなる(なお現在は野々川上流まで車道が通っているので、集落の真下辺りから登っていくほうが訪れやすい)。
集落はあまり平地に恵まれておらず、石垣で段々になった農地の跡が広がっている。村史の訪問記(※)には「こんな山の中の傾斜地に一町一段歩(原文ママ)もの水田を構築したことは…」という記述があるように、これらの多くは水田だったと思われる。集落内の谷は水も豊富で、十分に賄えたのだろう。同じく訪問記に「今は、すべての水田に杉が植えられ、未だ十分に住める二軒の家がそのまま、寂しく立って(原文ママ)いた」とあるが、訪問時にもこの2軒が残っていた(うち1軒は母屋が倒潰)。なお昭和54年くらいまで人が住み、自給自足に近い暮らしをしていたとのこと。
地元の方の話では、覚えている範囲で山本(やまもと)家が2軒。それぞれ熊野川地内の友淵(ともぶち)と大字滝頭(たきがしら)に転出。また別の方の話では、転出後も農作業や椎茸の栽培のためにしばらく人の行き来があったという。
※ 訪問は昭和56年
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