◆大小森(おおこもり)
※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「十津川」(大正3.5)を使用したものである
所在:新宮市熊野川町篠尾(くまのがわちょうささび) 地形図:伏拝/十津川
アクセント:オーコモリ
形態:山中に家屋が散在する
標高:約330〜400m
訪問:2011年5月
大字篠尾の西部山中にある。
地元の方の話では、かつては12軒。転出先は篠尾や新宮市など様々。篠尾界隈はかつて蒟蒻作りが盛んであったが、大小森にも蒟蒻畑が広がっていたという。通学は篠尾小学校・敷屋(しきや)中学校(ともに廃校)。
集落の登り口には篠尾の起源を記した看板があり、大小森にはその開祖となった「兵庫一族」(※)の墓があるという。また古くは良質の茶・タバコ・繭・蒟蒻の産地として知られていたことにも触れている。
登り口から集落までの道のりはあまり遠くはない。山道が集落に近づくと谷筋が急に開け、広大な農地跡が目の前に広がる。斜面がとても緩やかなので、農地の区画一つ一つも比較的広い。廃屋5軒、屋敷跡数箇所のほか、集落の北部と南西部で石仏を確認。先述の兵庫一族の墓は、集落の中ほどにあった(写真10)。
町史によると、昭和20年代には15戸。戦後は割合早くから転出が始まり、昭和35年頃に無人化。
※ 兵庫左衛門尉氏永をはじめ、嫡子の勝正・正信等。平家の落人
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