◆萱小屋(かやごや)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「伯母子嶽」(昭和28.10)を使用したものである
所在:野迫川村北今西(きたいまにし)
地形図:上垣内/伯母子岳 アクセント:カヤゴヤ
形態:山中に家屋が少数集まる
標高:約960m(大股(おおまた)集落は約660m)
訪問:2011年4月
大字北今西の東部、大股集落から伯母子(おばこ)峠に向かう途中にある。熊野古道の小辺路(こへち)沿い。
村史には「かつては数戸の茶屋があったが、現在(※刊行当時。昭和49年頃)は一戸だけ残っている」とある。また大股の方の話では、覚えている範囲で柏谷(かしたに)家が1軒。老夫婦が暮らしていたが、ともに体調を崩し入院、亡くなったため無住となった。子供たちは散り散りに転出しており、大股にも1人が暮らしている。最近になって登山者などのために屋敷跡を整備、新しい小屋(写真1)を建てており、お盆など時おり関係者で賑わうという。
訪問は大股より。大股の集落内より萱小屋付近まではつづら折りの急登が続く。山道はかなり状態が良く道幅もあるが、集落跡の整備のために改修されたのだろうか。集落跡では先述の山小屋のほか背後道沿いに古い墓地(写真3)、北東に井戸(写真4)を確認。農地は西に向かって尾根上に開かれていたよう(最近の地図でも水田の記号がある)。
なお大股集落の入口付近に数基の戦歿者の墓碑があり、この中にも柏谷姓が確認できる。萱小屋の柏谷氏であるかは分からない。
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