◆池ヶ平(いけがなる)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「香住」(昭和28.11)を使用したものである
所在:新温泉町久斗山(くとやま)
地形図:余部/香住
形態:山中に家屋が集まる
標高:約350m(登り口は約110m)
訪問:2010年11月
大字久斗山の東端にあり、町の東端の集落でもある。香住町【現・香美町】との境界にほど近い。
現在は曹洞宗の修行寺、安泰(あんたい)寺(写真1)があるのみ。住職の話によると、昭和40年くらいには7軒。町内の正法庵(しょうほうあん:地名)に数軒が移転したほか、京都や大阪に転出した家もあるという。寺院は昭和52年、宅地化による開発により京都より移転。修行のために静かな環境を求めていたところ、無人の集落となった当地の存在を知ることとなる。なお住職は、修行僧を迎え入れながら通年ここで居住。冬は雪に閉ざされるが、秋までに収穫した農作物などで山を降りることなく過ごすという。また集落については『宿命』という書籍に詳細が記載されているとのこと。
現在も残っている往時のものは、家屋が1軒と蔵が1棟(写真3・4)、墓地(池田姓・山本姓を確認)・神社(写真8)。水田を見渡すように「白菊白竜大神」「彦丸白竜大神」が祀られているが(写真9)、これは集落に伝わる白い竜の伝説に由来するものだそう。
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