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◆森茂(もりも)



※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「白山」(昭和29.12)を使用したものである

所在:高山市清見町森茂(きよみちょう―)
地形図:御母衣/白山
形態:川沿いの緩い傾斜地に家屋が集まる
離村の背景:地域開発(土地の買収のみ)
標高:約910m
訪問:2009年5月

 

 白川村・旧荘川村【現・高山市】を流れる庄(しょう)川支流、森茂川の中流にある。古い地図では67軒の建物と神社・水田が見られる。また庄川の合流部付近から集落にかけて「林用軌道」が通っている。
 
地元の方(村内大谷(おおたに)在住)の話では、かつては15軒弱の家があった。林業が盛んなころは、分家も集落内に家を持つほどだった。無人になったのは昭和50年代くらいではないかとのこと。ある団体がスキー場を造成する目的で土地を購入することとなり、不便を感じていた住民もこれを機に離村。しかし辺鄙な場所にあり道のりが長いためか計画は頓挫、数十年放置されていたが、ここ23年工事関係者が出入りしておりゲートも設けられたそう。なお住民は高山市や古川・名古屋・長野へと転出していった。学校は池本(いけもと)小学校森茂分校。
 
訪問時は大谷より森茂峠を越え、川を下っていった。現地では集落の面影はまったくないが、土地の一角には圃場があり、そこだけが開けている。ほか「森茂白山神社社叢」の標柱が見られた。学校の跡や最近の地図で見られる墓地はよく分からなかった。なお集落へ向かわず川を下ると何かの建物が見られるが、途中で会った方の話ではこれは営林署関係の小屋だそう。
 資料『きよみ風土記』によると、「森茂白山神社社叢」は昭和49年県指定の天然記念物。神社があった小山には昔から伐採の手が加えられなかったため、自然林の様相がそのまま残されている。また当方では未確認だが同じく天然記念物の「森茂神代(じんだい)スギ」(昭和45年指定)があり、樹齢は600年以上と見られている。
 なお
大字森茂は近世の大野郡森茂村。明治8年清見村の大字となる。昭和48年廃村(「角川」より)。

 


(写真 森茂峠の祠)

 

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