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◆保(ほう・ほ)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「飛騨古川」(昭和28.4)を使用したものである

所在:飛騨市河合町保(かわいちょう ほ)
地形図:猪臥山/飛騨古川
形態:川沿いに家屋が多数集まる
離村の背景:ダム建設
標高:約600m(水面は約700m)
訪問:2009年5月

 

 下小鳥(しもおどり)ダムの人造湖(下小鳥湖)に沈んでいる。大字保の中心集落(※1。古い地図では学校・寺院・神社のほか多くの建物や水田が見られる。
 大字保は近世の吉城郡保村。明治8年河合村の大字となる。
 地元の方(天生(あもう)在住・93歳)の話では、100軒くらいの家があったという。移転先はばらばら。
 湖畔にある公園(写真3)の「下小鳥ダム記念之碑」によると、大字地内にあった学校は村立保小学校(水没)・同横谷分校(非水没)。ほか大字舟原(ふなばら)(写真2)の舟原分校も水没している。寺院は松尾山憶念寺(移転)。神社は鈿女神社・白山神社(ともに移転)(※2)。保診療所もあった。姓は洞口が最も多く、ほか井ノ下・井之下・保谷も多い。ほかにも多くの姓がある。
 湖畔の別の場所には「ふる里の森」と称し、かつての住民が植樹を行った場所がある(写真4)。以下は看板に書かれていた文章。


 ふる里の森

我がふる里保は幾千年前、縄文、石器頃より集落があり
下小鳥ダム水没移住の時は河合村保区は百十六戸
昭和五十四年春水没移住一〇周年の集ありその記念とし昔から保の山に自生する杉を10字形に植る
この記念樹を中心にふる里の森を造成して後世に残し傳えんことを念願しふる里の森を造る
表土は古川町より運び整地する
樹木は飛騨の山に自生する名木を各地より集めて古川町と高山市に移住している元保の村の人たちが協力して完成した手作りの森である
我がふる里保の森として愛護されることを祈念します

 平成十六年十一月
  元、河合村保区民

1 保の下流に「幅ノ下」「田」という小地名が見られるが、先述の地元の方は知らないとのことでここでは割愛した
2 古い地図では、保・田・明ヶ瀬3箇所に神社が見られるが、これらに該当か

 


写真1 集落付近


(写真2 舟原にて)


写真3 湖畔の公園


写真4 ふる里の森

 

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