◆矢田川(やたがわ・やだがわ/ヤダガー)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「大町」(昭和24.11)を使用したものである
所在:大町市八坂
地形図:日名/大町
形態:山中に家屋が散在する
標高:約900m
訪問:2010年5月
村の北西部、塩沢(しおざわ)川とその支流の間にある尾根付近にある。近世の切久保(きりくぼ)村の枝郷。「矢田川磨崖仏(※)」(写真1)でその名が知られる。
曽山(そやま)で伺った話では、50年前には2軒(本家と分家)が暮らしていたという。
古い地図の地名表記は、尾根から川沿いの斜面にかけての家々を指しているように見える。しかし村誌が引用している古い記録で矢田川2軒、小田谷22軒とあり、また曽山の話でも小田谷が12、3軒ということなので、矢田川は尾根付近の家屋、小田谷は川沿いの斜面の家屋群と思われる。
現地ではきのこのほた木がある広い平地(写真3)が見られたが、屋敷跡か。また小田谷に向かう旧道では古い電柱も倒れている。
村誌によると、神社は諏訪神社。6、7年前(刊行当時より)に大町市の若一王子神社に移された。
※ 磨崖仏とは、岩壁に直接彫られた仏像のこと
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