◆小浦（おうら） ※　この地図は、地理調査所発行の1／50,000地形図「小口�P戸」（昭和32.7）を使用したものである 所在：七尾市能登島小浦町（おうらまち） 地形図：小口瀬戸／小口瀬戸 形態：？ 離村の背景：重税。のち自然消滅？ 標高：数m 訪問：2011年8月   　町の東部沿岸にある。 　現在は谷沿いを中心に水田が広がっているのみで、住居はない。現地にある「小浦左幸（さこう）屋敷跡」（写真3）は、町指定の史跡。説明板に記されている民話によると、森（小浦）左幸は往時の富豪で、小作農民に重い年貢を科していたため農民全員が越後へ移住、佐幸も後を追って移住したという。ただし「能登誌」にも慶長10（1605）年、藩の年貢未進のため全住民が頸城郡塩浜村（現在の新潟県上越市）へ移住したとも記されているようで、民話との関連も深い（集団移住の理由には諸説ある）。この離村の後は野崎（のざき）村の農地として村は存続。元文5（1740）年17戸106人。 　なお昭和23年には大字地内に東島中学校が建てられた。農作業をしていた方の話では、学校は昭和50年代くらいまで存続したのではないかという（のち能登島中学校に併合）。学区は二穴（ふたあな）・日出ヶ島（ひでがしま）・野崎・祖母ヶ浦（そぼがうら）・長崎（ながさき）・〓【魚へんに爰】目（えのめ）・八ヶ崎（はちがさき）。現在は整地され何も残っていないが、土地の一角には東部地区の戦歿者の碑が建てられている（写真6）。 　なお大字小浦は近世の鹿島郡能登島の小浦村。明治22年東島（ひがしじま）村（のち能登島町）の大字となる。明治22年1戸3人（角川）。
写真1　水田	写真2　「小浦左幸屋敷跡」案内板
写真3　小浦左幸屋敷跡	写真4　学校跡
写真5　戦歿者の碑