◆棚山(たなやま)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「泊」(昭和34.8)を使用したものである
所在:朝日町棚山
地形図:舟見/泊
形態:山中の緩傾斜地に家屋が集まる
標高:約300m
訪問:2011年6月
町の中南部にあり、入善町と境界を接する。
資料『村の記憶』によると、無人化は昭和50年。かつての住民の記憶では、多いときでも18軒とのこと。
現在は「棚山ファミリーランド」やゴルフ場として整備され、集落の面影はまったく見られない。天保年間に作られたという堤は現在も残り、堰き止められた湖は公園内にのどかな景観を呈している。また管理棟の付近には石碑(堤改築記念碑)や石仏(写真2)がある。湖畔には神社(写真3)もあるが、これは地神を祀ったもので村社の八幡社ではない(八幡社は入善町舟見の藤保内神社に合祀)。
集落の北部は広く緩やかな尾根筋になっており、この上には田畑(跡地含む)が広がっている(地形図でも田や畑の記号が確認できる)。現在耕作されているものも少なくない。この農地の境界がほぼ大字の境界であることからも、かつては棚山の住民が耕作に通っていたのだろう。
なお大字棚山は近世の新川郡藤(ふじ)保の棚山野新開所(たなやまのしんかいしょ)。明治22年下新川郡山崎村の大字となる。大正4年棚山と改称。明治5年15戸。草分けは享和〜文化年間に、平沢村(現魚津市)から移住してきた木地師とされている(角川)。
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