◆大黒(だいこく)
所在:秩父市中津川(なかつがわ) 地形図:両神山/万場
形態:川沿いに家屋が集まる
離村の背景:事業の衰退?
標高:約800m
訪問:2007年5月
県道210号線沿い、小倉沢集落よりも手前にある。現在は鉱山関係の施設?(白い粉が多いので、石灰を扱っているのだろうか)が操業しているが、かつては広河原(ひろがわら)沢右岸に住宅もあったよう。最近の地図には廃坑の記号がある。
対岸にも鉱山関係の施設があるが、廃坑のためかこちらは操業していないよう。両岸に跨る建物が橋を兼ねており(写真1)、これを渡って対岸へ進めるが、所々空いている足下の隙間からは川の流れが見える。対岸の鉱山施設は、道路から見ても分かるが所々が朽ちている。「鑛務課大黒坑」(写真2)や「安全灯室」などの看板が掛かる建物やトロッコ(写真3)もあり、封鎖された坑道へとレールが延びる。
この施設群から川上に向かうと、集合住宅と思われる跡地に着く。玄関のコンクリートや四角い枡のような遺構(写真4)が規則正しく並ぶので、それと分かる。ここの鉱山関係者の社宅だったのだろうか。また何かが祀られていたような石段のある遺構(写真6)や、放置された工場関係の設備(写真7)が見られた。現在敷地には木が無造作に生長し、荒れるに任せている。
「大黒」は瑞祥地名だろうか。特に黒い鉱物が採れるというわけではない。
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