◆寄国土（ゆすくど） ※　この地図は、地理調査所発行の1／50,000地形図「秩父」（昭和26.3）を使用したものである 所在：秩父市浦山（うらやま） 地形図：秩父／秩父 異読：いすくど 形態：川沿いから山の斜面にかけて家屋が集まる 離村の背景：ダム建設 標高：約350〜420m（水面は約360m） 訪問：2006年4月・2020年11月   　大字浦山の北部、浦山川右岸にある。 　岳より南西に向かって斜面を下った辺りにある。ほぼ水没しているが、現県道沿いの斜面に墓地と作業小屋などが残る。またバス停・トンネルなどに地名が残る。 　2020年再訪。前回の墓地と作業小屋のほか、県道下の広場で移転したと思われる複数の石造物を見ることができた。周辺では複数の宅地が水没を免れているが、造成のため痕跡らしいものは石垣などが僅かに見られる程度。 　改めて当地の航空写真（昭和49年）を見ると、前回探索した非水没地のほか、その下方の川沿い（水没）、そこから少し上流の川沿い（水没）、大久保谷の合流部付近の主に4箇所の家屋群が確認できる。右岸の道路が工事中であったため、また湖岸に降りる道の先でも工事が行われていたため、水没地の遠景は確認はできなかった。 　なお墓地では、齊藤・武田・小池・山本・浅賀・齊藤といった姓氏を確認。 　また読みについては、後述の資料やバス停のルビは「ゆすくど」、最近の地形図に記されている寄国土トンネルのルビは「いすくど」となっており、いずれの呼称も用いられているよう。 　資料『ゆすくど』によると、寄国土には森河原・大岩下・土性といった小地区があったことが分かる。それぞれの家や施設等は以下のとおり。なお「大岩下」が2箇所存在しているが、そのまま掲載した（どちらかが小地区としての「寄国土」だろうか）。 森河原…浦山出張所・浦山公民館・浦山出張診療所・中山・大越・やまいち商店（浅見家経営）・中山・浅見 大岩下…児玉（空）・斎藤（空）・石井・斉藤・斎藤・斉藤・児玉・斉藤・横田・横田・関根・浅賀・中山・上林・浅見・磯田・小池・小池・中山・斉藤・浅見 大岩下…浦山バス停・忠魂碑・市農協浦山支所・旧浦山郵便局舎・市消防団詰所・大久保林道吊橋・泉屋商店・小池・久保田・タバコ店・上林・上林（空）・小池（空） 土性…（不明）
（写真1　堰堤とダム湖） （2006年撮影）	写真2　寄国土バス停 （以下2020年撮影）
写真3　寄国土トンネル。獅子頭がモチーフ	写真4　石垣
写真5　小屋	写真6　墓地
写真7　同	写真8　県道下の広場
写真9　忠魂碑	写真10　石造物群
写真11　石垣	写真12　瀬戸物片
写真13　水没地を望む