◆小友沢(おともざわ)
所在:秋田市雄和椿川(ゆうわつばきがわ)
地形図:羽後和田/羽後和田
形態:台地に家屋が集まる
標高:約90m?
訪問:2018年5月
大字椿川の中南部、小友沢(雄物(おもの)川二次支流)左岸側の台地にある。
資料『秋田・消えた開拓村の記録』によると、入植は5戸。2団地に分かれ、上流側に3戸、下流側に2戸であった。当初は陸稲が主体であったが、後年は葉タバコを導入。台地のため水に乏しかったという。昭和30年代後半から離村が始まり最終的に2戸(星川家・鈴木家)が残ったが、秋田空港建設に伴い昭和49年に転出、無住となった。
町史では、地名の謂れを「修験者、信仰者の修行場のお供人従者の控の沢に由来する地名とも推定…」としている。平尾鳥(ひらおどり)へ越える道は通称「鼻こくり坂」と呼ばれ、文禄年間にここで山伏が転倒し鼻を怪我したという。付近で発見した鉱泉で流血した鼻を洗ったところ、不思議にもこれが平癒。のち「鼻こくり鉱泉」と呼ばれ、明治中頃から大正期にかけて浴場も開設されていたとのこと。
現在は県立中央公園の「ファミリーピクニックゾーン」として整備されている。先の2団地のうち上流側のみの訪問であったが、往時の痕跡は確認できず。
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