◆中貝喰(なかかいばみ)

※明色部
※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「矢嶋」(昭和41.7)を加工し使用したものである
所在:由利本荘市矢島町立石(やしままちたていし)
地形図:大琴/矢島
形態:山中に家屋が集まる
標高:約250m
訪問:2018年5月
大字立石の東部、大砂川(子吉(こよし)川支流)上流部にある。
資料『秋田・消えた開拓村の記録』での聞き取りによると、入植は6戸。うち3戸が大字内の軽井沢(かるいざわ)、3戸が町中心部の出身者であった。大豆・小豆・陸稲など畑作主体であったが地形に恵まれなかったためあまり成果が上がらず、昭和38年に無住となったとのこと。元住民2世帯に聞き取りを行っているが、一方は和牛を取り入れ、もう一方は炭焼き・出稼ぎを行っていたという。
町史には「立石開拓地」として言及されている。昭和22年以降6戸の入植者があったが、小番氏を最後に全戸離農したとの由。なお『消えた〜』によると小番氏の碑が大字内の中山地区にあるとのことで、氏は開拓農協組合長であったという。
最近の地図では軽井沢付近から川に向かって2本の破線の道が延びているが、このうち西側のものを選び訪問(『消えた〜』で記されている大まかな位置により近い)。現地にはかつて車輌が通ったであろう道となだらかな傾斜地が見られたが、生活の痕跡となるものはまったく見られなかった。
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