◆片倉(かたくら)

※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「船川」(昭和41.5)を使用したものである
所在:男鹿市脇本浦田(わきもとうらだ)字片倉 地形図:北浦/船川 寒風山/船川
形態:高原に家屋が集まる
離村の背景:最終はゴルフ場建設
標高:約170m
訪問:2016年5月
脇本浦田の西部、寒風山の北側にある。
資料『戦後開拓のあゆみ』によると、戦後の開拓集落で昭和21年から24年にかけて18戸(※)が入植したとのこと(「寒風山麓地区」での表記)。入植者は引揚者と地元出身者が半々で、みな農業経験者であった。自給用の営農に始まり、当初より出稼ぎ等による収入に依存する家がほとんどであった。
また資料『秋田・消えた開拓村の記録』によると、入植戸数は15戸(※)。当初は大豆・小豆・ジャガイモ、後に麦や大根などを栽培したが、土壌が悪く生産は上がらなかったよう。昭和39年よりゴルフ場の造成工事が始まり、開拓地の半分以上が用地となったことにより離農者が現れ、残った4戸も昭和45年に移転。
ゴルフ場南端にある十字路付近から南側が住宅地であったようで、現在でもサイロや家屋の残骸等集落の痕跡が確認できる。写真3の廃屋は『消えた〜』に写真が掲載されている「開拓地に残る家屋の一部」と思われるが、崩壊がかなり進んでいる。なお集落南方には人家とは明らかに異なるまとまった施設があったようで、基礎などの遺構が多く残っている(写真7-10)。
※ 『消えた〜』では、「書類上は18戸だったかもしれないが、実際入植したのは15戸だった」との元住民による話がある
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