◆本町(もとまち)

※ この地図は、参謀本部発行の1/50,000地形図「水澤」(昭和20)および地理調査所発行の同地形図「一關」(昭和22.5)を使用したものである
所在:平泉町長島(ながしま)
地形図:前沢/水沢
アクセント:モトマチ
形態:川沿いの平坦地に家屋が集まる
離村の背景:遊水地帯化に伴う退去
標高:約20m
訪問:2018年11月
大字長島の西部、北上(きたかみ)川左岸にある。現在の一関遊水地(第2遊水地)内にある。
現地付近で伺った話によると、一帯の遊水地化に伴い離村したとのこと。分かるものでは7軒ほどの人家があったという。当地と隣接して里集落があったが、それぞれに墓地があった。
国土交通省岩手河川国道事務所のウェブサイトによると、一関遊水地は昭和22年のカスリン台風・同23年のアイオン台風による大水害を契機に計画され、昭和47年に事業に着手したとのこと。普段は水田などに利用され、洪水の際はここで水量を調整、市街地への水害を防ぐことを目的としている。現在も事業は継続中。
また資料『北上川の昔と今』によると、第2遊水地の家屋移転は昭和49年7月より開始。
現在は道路が大幅に改修され整備された水田が広がるのみで、往時の痕跡は皆無。集落の南方には貯水槽があるが、この敷地内には「蛇塚」と記された古い石塔が置かれている(写真3)。
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