◆オブカル石(おぶかるいし)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「余別」(昭和35.6)を使用したものである
所在:神恵内村珊内村(さんないむら) 地形図:珊内/余別
形態:河口付近に家屋が集まる 標高:10m前後
訪問:2014年5月
大字珊内村の北部、オブカル石川(※)の河口海沿いにある。
資料『郷土かもえない』によると、漁業資源の減少によって戸数が漸減、さらに電気や港・道路もなく不便であったため昭和41年に集団移転が行われたとのこと。当地には安内小学校が置かれていた。
現在はオブカル石川右岸に何かの施設跡、その近くの高台に十一面観音堂(写真2)が置かれている。左岸では野草園(写真5)が営まれており、川白(かわしら)から行き来している経営者の話によると、分かるものでかつての家数は10軒ほど。この野草園の周囲に屋敷跡が集まっており、最近の地図でも記されている墓地も確認できた。学校跡は「あんない展望公園」になっており、登り口の近くには「心勿忘」と題した碑(写真10)が置かれている。以下は碑より学校の沿革。
明治17 |
寺子屋教育開始 |
明治43.4 |
珊内教育所となる |
大正6.4 |
安内尋常小学校となる |
昭和4.4 |
安内国民学校となる |
昭和22.4 |
安内小学校となる |
昭和42.3 |
廃校 |
また以下は学校跡にある像の基部に刻まれた碑文(/は改行、□は一字下げ)。
嗚呼/□西の河原よ/□窓岩よ/冬は苛烈なる日本海の怒涛と相対峙し夏は虎杖の競い立ち蝉しぐれふり注ぐこの台地/まさしくここに六十有余年に亘り教育の灯をともし続けた親と子とそして教師の哀歌の歴史があった
※ 地形図では「オブカルイシ川」
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