はじめ人間自然塾

自殺をする人の多くは、孤独で、人間関係を築くことが苦手な人が多い。
心の教育が問題にされ始めて久しいが、確かに自殺問題を見つめる中で、小さい子どものうちから心の教育が求められていると気づいた。
はじめ人間自然塾は、自然の中で、自然のものを使って、何でもやってみようと企画されている。
必ず昼食は自分たちで作ってみんなで食べる。
食事を通して交わりは親密になっていく。
高学年の子どもたちが企画に関わっていけるように、そして、リーダーとして育ち、後輩を育てていけるようになっていけたら・・・。
どんなところでも、どんな状況でも生きていくことのできる力を求めて・・・。

 現在、自殺者救済活動と生活自立支援活動と共に、自殺者が増えている小中高生への働きが求められているのも事実。

街のパン屋さんピア(掘さん)のご協力で子どもたちとドーナツを作りました。
子どもたちは普通の台所でお店で売っているドーナツが出来ることに興奮していました。
いつもいろんな形で協力してくださる堀さんに心から感謝!

できあがりました!
秘密基地。2006年7月16日にはこの秘密基地で一晩過ごしました。

暑くても非常にうれしい一晩でした。

学習支援「宿題クラブ・コペル君」

NPOプレゼンテーション原稿      

「自殺予防プログラムとしての生活体験塾・学習支援塾」

 自殺の予防プログラムとして、なんで学習支援なのか?と、最近どこに行っても聞かれます。私は自殺と学習支援が繋がらないところに、社会が抱えている問題の深刻さを思わずにはいられません。

今、社会では何事においても競争が起こります。だから、勉強ができなくてもいい、元気で思いやりのあるやさしい子どもになってほしいと願う親でも、心底、どこまで本気でそう思っているか、実践しているかは分かりません。現実問題として、勉強ができなければ希望する職業にも就けず、思い描く生活が遠のくことを知っているのではないでしょうか。だから、勉強しなさいが口癖になったりするのです。また、子どもは、いつも点数で自分の評価が決まる中に置かれています。親の期待と点数で決められる評価が、子どもにとってどれほどのプレッシャーになるかは、昨今の殺人事件や自殺の問題を見れば明快な答えが出ていると思います。結局、競争原理の中で、他者と共に歩むことよりも、他者よりも先に進むことが重要になり、人間は大切なものを失っているのです。そう思いませんか?

文部科学省は、各家庭の経済格差が、子どもの学力に大きく関わっていることを指摘し、公立塾を設立し、塾に行けない子どもたちの学力を底上げしようと計画しています。確かにお金のある家では、名の通った塾に子どもを通わせたり、県外に出て私立の小学校や中学校に行かせるのです。

また、文部科学省の公立塾構想は、裏を返せば、小学校や中学校など公立校での勉強では足らないことを認めているということでしょうか?社会が能力を求め、高い学力を求めている以上、それに対応するしかないということでしょうか?

私たち白浜では、26年前から、三段壁において自殺を考え悩む人々と接してきました。その家族とも接してきました。

自殺にまで追い込まれた理由は、リストラ、借金、家庭崩壊、ギャンブルなど様々ですが、全員、社会からいらないと言われた経験を持っていました。学力や能力において、人間関係において、家族から見放されている人が多いのです。

「自分は生きている資格がない」「生きていてもしょうがない」「誰も悲しまない」「誰にも迷惑かけない」彼らは必ずと言っていいほど、自分の価値を見失っています。そして皆が孤独の中で死を選んでいるのです。

「そんな人、助けなくても良かったのに」「死んでくれた方が良かった」「もう縁をきったんや」すべての家族ではありませんが、保護しましたと電話をかけて迷惑がられたことがあります。今社会ではこんなことが毎日のように起こっているのです。

今、彼らは自分の責任でそうなったんじゃないのか?と思った方いませんか?

はっきり言ってそうです。全部が全部ではないですが、往々にして、自分が蒔いた種を刈り取れなくなって自殺に追い込まれた人が多いのです。

しかし、家庭で、社会で、そういう風にしか育てられなかったのも事実です。彼らとの共同生活で、その食事のマナー、挨拶など生活でのマナーの乏しさには、何度驚かされたことかと思います。家庭で身につくものが身についていないのです。また、学識があり社会的立場のある方に出会うよりも労働者階級の肉体労働者のなんと多いことか・・・。自殺の問題は教育問題に非常に根深い関わりがあるのです。

私たちは、自殺者を考えている人を保護し自立させていく活動を、既に26年間やってきました。共同生活をしつつ仕事を探し経済力をつけて自立させていくのです。しかし、仕事について経済力がつくだけでは、また逆戻りするケースを何度も見てきました。だから、これだけでは完全な解決とは言えないのです。

自殺が社会問題として捉えられた今、もっと根本的な問題に踏み込んだ活動が必要だと思うのです。そして、それが、将来自殺を選ぶ子にはしないために、子どもの回りの地域社会を再構築していく、親と子が一緒に集まって子どもの教育に取り組んでいく働きではないかという理解に私たちは行き着いたのです。

一年前から生活体験塾「はじめ人間自然塾」は行なってきました。はじめ15名だった子どもが今では25名、大人は15名参加するまでに広がってきました。今回、その大人たちから学習支援もやっていこうと話が出てきました。ここでは、子どもたちは、大人のことを「誰々ちゃんのお母さん、お父さん」と呼びます。家庭の枠を超えて親密な関係が建て上げられていっています。大人たちは、人の子に対しても自分の子に対しても、同じように叱り、子どもたちとかかわっています。そこに、団塊の世代の元教職だった方々の協力が加わり、専門的な知識や経験が加えられ、益々豊かな集まりになっています。

親は子どもたちの憧れになり、子供同士でもお兄ちゃん、お姉ちゃんは下の子たちの憧れになっていく、以前にはあった地域社会を取り戻そうとしています。そういう人間関係が、苦しみや問題にぶつかった時、どれほど人を強くするか分かって下さい。

私たちは生活体験、学習支援を通し、人格教育を社会の中に取り戻そうと考えているのです。これがバンソウコウ貼りではない自殺問題解決です。

毎週二回の活動を7月から行なう予定ですが、それを毎日の活動にしていくのが当面の目標です。そして、モデルケースとして県内に同じ働きが広がればと願っています。そのためには、人材が足りませんし、使用できるスペースにも限りがあります。経済的に支援していただければ、会場確保、案内チラシ配布、キャンプ保険などの整備、通常のボランティアフタッフ以外に特別な講師を招いたり、教育の幅も広がります。ぜひ、ご理解とご支援をお願いいたします。

実は6年前から、中学生や高校生に対しては学習支援を行なってきたのです。

そんな中、去年の三月中学卒業と同時に高校受験をしなかった子どもが8月頃に「高校に行きたい」と言い出したのです。それから今年三月まで毎日、朝、昼、晩と家に通わせて勉強を見て、そして、見事にこの三月高校受験に合格しました。

社会のレールからはみ出してしまった子どもが、また社会のレールに戻っていく、落ちこぼれを出さないように底上げを行ない、最低限、勉強に興味を持たせていくことができれば・・・私たちはこれが私たちの働きだと再確認しました。

また、この子どもが勉強で躓いていたのは、小学校二年生・三年生で学ぶ、掛け算、漢字、割り算、分数からでした。

夏季学校開催

8月1日〜11日までの間、連日開催

8月5日土曜日に、1日から勉強した子達を連れて一日キャンプにも行きました。海にも行くぞ!川にも行くぞ!と朝8時から出かけ3時まで海と川で遊びました。「はじめ人間自然塾」もかねて行ないました。
7日から再開する勉強は、自由研究や工作、読書感想文を仕上げていく予定です。

白浜町町長 立谷誠一氏 講師として来てくださる

 2006年9月5日(火)夕方、9月第一回目(新学期第一回目)のコペルくんに立谷町長が来てくださいました。自宅前の干潟に住む生物の話をしてくださいました。
 ハゼがカニから縄張りを守る姿や、サギなどが魚を取る様子など興味深い話でした。
 今度、実際に干潟を見に行こうと子どもたちと話し合いました。
 お忙しい中、時間を割いて来てくださった町長さんに感謝いたします。