田辺市市民活動センター
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    市民活動団体ファイル 55


NPO法人市民活動フォーラム田辺 社会起業実態調査担当 山本恵美さん(田辺市三川)


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木守の風景

 木守(旧大塔村の最奥地)で生まれた山本恵美さん。四季折々の自然と、家族や地域の方々に見守られながら子供時代を過ごした。
 胎児教育(?)として松茸とり・米作り・味噌つくり・野菜つくりなど、母親の胎内にいるときから経験。その成果が見事に実り、母親がおぶって裏山に松茸とりに行くと、ハイハイしながら松茸を見つけ、母親を驚かせたことも。自然から英才教育を受け、自然や動物と心を通わせることのできる少女だったようだ。あまりにも活発だったため、しばしば少年とまちがわれたことも・・・。そんな子供時代の木守の様子を記録した、『こころのふる里 〜木守小学校の思い出〜』写真集の出版は、地方紙などにも取り上げられ、記憶にも新しいところである。

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『こころのふる里
〜木守小学校の思い出〜』より
 木守小学校は4年生で廃校になり、5年生からは三川小学校へ。同じ三川地域でも、木守出身者は「田舎者」扱いされたこともあったようで、次第に都会にあこがれを持つようになる。高校進学とともに田辺市に住み、その後神戸、名古屋、東京、東北、そしてアメリカへ。ふる里を離れていつも思うのは、「ふる里の自然と人の温かさ」であった。

 平成14年に、ふる里木守にUターン。平成17年、地域の公民館で英会話教室を担当していた時に市町村合併を経験。人員削減により、三川地域の「要」であった公民館主事が居なくなってしまう。居なくなったのは主事だけではなかった。"三川地域産業文化展"も無くなってしまい、“地域存続の危機”を感じるようになったという。

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学生時代にお世話になった
方々とナイアガラへ
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三川小学校でのお楽しみ会の様子
 「地域をなんとかしなければいけない」との思いから、平成18年夏、和歌山大学の「社会教育主事講習」を受講。その後、公民館分館長として三川地域の発展の為の取り組みを始めることになる。「地域の発展のためには、地域経済の発展が重要である」と気づいた山本さん。現在は夜間休日を利用し、和歌山大学南紀熊野サテライト大学院経済学研究科で学んでいる。

 平成22年6月には、NPO法人市民活動フォーラム田辺に就職。和歌山県の委託事業「紀南の社会起業家実態調査」を担当している。社会起業家とは、地域の課題や社会問題に対して、企業や団体をつくるなど「事業=ビジネス」として取り組み、解決を目指して活動する人たちのことである。課題の多い紀南地域は、同時にビジネスチャンスも沢山あると考える。紀南地域で活躍されている社会起業家を発掘し、サポートし、行政や関係団体、社会起業家同士をネットワーク化して、紀南を蘇らせようという試みをスタートさせたところである。

 「今まで学んできたことを生かして、ふる里の発展に役立つよう頑張りたい。」取材中も常に目に力があり、言葉も力強く、それでいて温かみのある彼女。「えみさん」の決意の程を伺うことができる。
 

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